ベッコフオートメーション(以下、ベッコフ)は、「IIFES 2022」(リアル展、2022年1月26〜28日、東京ビッグサイト)で、リニアモーター技術により可動部を浮遊させて運ぶリニア搬送システム「Xplanar」を展示。他の搬送装置やピッキングロボットと組み合わせ、ラインでの実用を視野に入れたデモ展示を行った。
ベッコフオートメーション(以下、ベッコフ)は、「IIFES 2022」(リアル展、2022年1月26〜28日、東京ビッグサイト)で、リニアモーター技術により可動部を浮遊させて運ぶリニア搬送システム「Xplanar」を展示。他の搬送装置やピッキングロボットと組み合わせ、ラインでの実用を視野に入れたデモ展示を行った。
ベッコフが開発した「XPlanar」は、電磁力により浮遊させた可動部を、平面タイルの上に浮かべて自由に動かすことが可能なリニア搬送システムである。高度な電気制御技術により、精密な位置決めを可能とし、複数の可動部をぶつからないように滑らかに動かすことができる。浮遊する可動部は1Gの加速度、2m/sの速度(※)、±50μmの精度で位置再現できる。基盤となる平面タイルは240×240×67mmで任意の形状に配置が可能だ。可動部はXY軸方向だけでなく、5mmまでの持ち上げと下降機能なども持つ。動作には精密な制御技術と高速ネットワーク技術が必要で、1Gbps、10Gbpsという高速、大容量通信に対応した産業用オープンネットワーク規格である「EtherCAT G」が活用されている。
(※)【訂正】初出時には「2Gの加速度、4m/sの速度」としていましたが、改定前の仕様であったために訂正しました。
今回のデモでは、「XPlanar」だけでなく、レールの上を可動させるリニア搬送システム「XTS」や、コンベヤー、ピッキングロボットと組み合わせ、同期制御を行うデモを披露した。ベルトコンベヤーに乗った赤、青、黄の3種類のブロックをカメラで撮影し、色の認識と位置の認識を行う。その位置や傾きなどに合わせてロボットがピッキングし「XPlanar」に載せる。「XPlanar」は色に合わせて定められた位置に運び、「XTS」がそのブロックをピックアップする。「XTS」は電気制御技術によりレール上の可動部を個々に動かせるという技術だが、この可動部2つを活用してピッキングし、最初のベルトコンベヤー上に戻すというのが一連のデモのサイクルだ。
「XPlanar」「XTS」などの個々の高精度制御技術だけでなく、これらが同期して動く同期制御技術をアピールした形だ。実際の製造現場では、複数の機器が同期して動くことが想定されるため、より実用レベルに近い形を示したといえる。「XPlanar」は国内において既に引き合いがあり、現在実証が進んでいるところだというが「より実際の環境でも効果が出せる点を紹介した」(ベッコフ担当者)としている。
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