パナソニック エナジーは、リチウムイオン電池用途に最適化したニッケル鉱加工新技術の確立に向けオーストラリア連邦科学産業研究機構と共同開発をスタートする。
パナソニック エナジーは2024年7月19日、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)と、リチウムイオン電池の製造に欠かせない原料であるニッケルに関して、新たなニッケル鉱加工技術の開発を目的とした共同開発に関する契約を締結したと発表した。
上段左:在パース日本国総領事の内藤康司氏、上段右:オーストラリア政府産業科学資源省 重要鉱物オフィス ManagerのMichael Neimanis氏、下段中央左:パナソニック エナジー CTOの渡邊庄一郎、下段中央右:CSIRO DirectorのRobert Hough氏[クリックで拡大] 出所:パナソニック エナジー今回の連携により、将来にオーストラリア産のニッケル資源活用や低コスト/低環境負荷の新規原料の創出、サプライチェーンの構築を目指す。
現在のグローバル市場において、ニッケルの生産量はインドネシアなどの国がリードしている一方、ニッケル鉱の埋蔵量に関してはオーストラリアは世界第2位だ。
今後需要が拡大するリチウムイオン電池の製造において、特に高容量電池向けの正極材の原料であるニッケルを低環境負荷のプロセスで生産することは重要で、電池用途を中心としたニッケルの利用拡大においてオーストラリアは非常に重要な役割を担うことが期待されている。
CSIRO は、オーストラリアの総合研究機関で、産業化を見据えた技術開発に強みを有し、農業、環境、情報通信、保健、材料、製造、鉱物、エネルギーなど、多くの分野で技術開発に取り組んでいる。
今回の共同開発では、CSIROの有する鉱物加工に関する知見と、パナソニック エナジーの有する電池材料に関する知見を組み合わせることで、電池用途に最適な新たなニッケル鉱加工技術を開発する。これにより、オーストラリアにおけるニッケル産業の拡大を図るとともに、パナソニック エナジーは将来の生産拡大に向けた高品位のニッケル資源の確保を目指す。
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