東京大学は、日本人の子どもの食事記録データをもとに超加工食品の摂取量を調査し、超加工食品からのエネルギー摂取量が多い人ほど、食事の質が低いことを明らかにした。
東京大学は2024年6月14日、ソーセージや菓子パン、清涼飲料など、高度な加工を特徴とする超加工食品のエネルギー摂取量が多い人ほど、食事の質が低いことを明らかにしたと発表した。日本人の子どもを対象とし、超加工食品の摂取量を算出して食事の質との関連を調査した。
食事調査のデータは、日本に住む3〜17歳の日本人1318人から得た、各季節2日ずつ合計8日間の食事記録を使用した。摂取した食品は加工レベルを4段階に分類し、食事の質は「Healthy Eating Index-2015(米国人のための食事ガイドラインの順守の程度を測る指標)」と「Nutrient-Rich Food Index 9.3(食事全体を栄養素密度の観点から評価する指標)」の2種類の指標を用いて評価した。
また、外食や総菜など家庭外で調理した料理は、超加工食品を少なく見積もるシナリオと、全てを超加工食品に分類するシナリオの2通りで食品分類した。
その結果、1日の総エネルギー摂取量に対して超加工食品が占める割合の平均値は、超加工食品を少なく見積もるシナリオで27%、多く見積もるシナリオで44%だった。また、総エネルギー摂取量に占める割合が最も大きい食品群は、前者は菓子類、後者は穀類とでんぷん質食品となった。
どちらのシナリオでも、超加工食品からエネルギーを多く摂取している集団ほど、Healthy Eating Index-2015とNutrient-Rich Food Index 9.3の総スコアが低かった。このことから、食事の質が低いことが明らかとなった。
今回の研究成果は、日本における超加工食品に関連する健康状態や疾病に関する研究、公衆栄養政策への決定に寄与することが期待される。
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