エマルションフローテクノロジーズは、使用済みLIBから顧客のニーズに合ったリサイクル原料を小型実証プラントにて抽出し、そのプロセスを受託開発する「EFTファウンドリー」サービスを開始する。
エマルションフローテクノロジーズ(EFT)は2024年6月19日、リサイクル電池開発向けのサンプル提供サービス「EFTファウンドリー」を開始すると発表した。
使用済みリチウムイオンバッテリー(LIB)のリサイクルにおいて、LIBを破砕した後に残るパウダー状の素材(ブラックマス:BM)からは、電池の種類や処理条件によってさまざまなリサイクル材料が抽出できる。しかし、原料の品質に合わせて大型プラントで抽出、処理するには、コスト面や環境への影響といった課題がある。
EFTファウンドリーは、BMから顧客のニーズに合ったリサイクル原料を小型実証プラントで抽出し、そのプロセスを受託開発するサービスだ。抽出には日本原子力研究開発機構(JAEA)が開発した、溶媒抽出技術「エマルションフロー」を用いる。
同社の小型実証プラントでは、1時間当たり2〜5kg程度のBMを処理できる。リサイクル電池の材料に適した高純度の硫酸コバルト、硫酸ニッケル、炭酸リチウム、水酸化リチウムなどを、数10kg規模で回収できる。
同サービスにより、顧客は必要なリサイクル原料の確保に加えて、開発した抽出プロセスから、自社でリサイクルLIBを量産する際に適切な規模のプラントを設置できる。調達可能なBMが少量の場合も、プラント建設に関する提案や運用を同社がトータルでサポートする。
EFTは、JAEA発のスタートアップ企業。粉砕した使用済みLIBに含まれるBMから、低コストかつ効率的に高純度なレアメタルを精製できるエマルションフローをコア技術としている。
同社は今回のサービスを通じて、リサイクルLIBに適した原料品質やリサイクルコストの最適化を図る。今後、リサイクルLIBの量産開発に必要な数100t(トン)規模のリサイクル原料の供給を目指し、2026年にはリサイクルプラントを商業ベースで稼働する。
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