“こんな場所も手が届く”手術ロボットなどで活用を目指す椿本の極小チェーンFOOMA JAPAN 2024

椿本チエインは「FOOMA JAPAN 2024」において、世界最小ピッチ(同社調べ)の超小型チェーン「RS6-SS」を使ったデモンストレーションを披露した。

» 2024年06月07日 08時00分 公開
[長沢正博MONOist]

 椿本チエインは「FOOMA JAPAN 2024」(2024年6月4〜7日、東京ビッグサイト)において、世界最小ピッチ(同社調べ)の超小型チェーン「RS6-SS」(仮称、開発品)と協働ロボットを用いたデモンストレーションを披露した。

世界最小ピッチ(同社調べ)の超小型チェーン「RS6-SS」(仮称)を使ったロボットハンドのデモンストレーション[クリックで再生]

 RS6-SSはチェーンのピンとピンの間の距離であるピッチ間が1.905mm、幅が約3mm、高さが約2mm、重量は1m当たり17gという極めて小さいドライブチェーンだ。

 デモでは、RS6-SSなどで構成されたロボットハンドが屈曲などをしながら、ビンの細い口にぶつからずに小さなボールを出し入れする様子などを披露した。ハンド部分にはThinkerの近接覚センサーが使われており、ビンとの距離などをセンシングしている。

 ドライブチェーンはスプロケットと呼ばれる歯車にかみ合って動力を伝達するため、小さくても引張強さは360N以上と力強い動作が可能となる。継ぎ目のないシームレス構造のブシュを採用しており、プレ給油のみで高い摩耗寿命を実現した。ステンレス製で腐食などにも強く、手術支援ロボットのハンド部分での活用などを想定しているという。

ピッチ間の距離が1.905mmのRS6-SS(下)。上も椿本チエインの小型チェーンだが、明らかに開発品の方が小さい。[クリックで拡大]

 スライドを駆動させるブラシレスモーターも同社製。スライドに追随して移動する電源や信号などのケーブルやチューブをガイドする、開閉構造を備えた自立式フラットケーブルシステム「フラットベヤZP仕様」は、異物混入を発見しやように青色仕様を開発品として使用している。協働ロボットに取り付けられている「ROBOTRAX 小形サイズ」はロボットの複雑な動作からケーブルの断線を防止する役割があるが、こちらも同じく開発品として食品業界向けに青色仕様を用いている。

青色の「フラットベヤZP仕様」を参考出展[クリックで拡大]
青色の「ROBOTRAX 小形サイズ」を参考出展[クリックで拡大]

⇒その他の「FAニュース」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.