デジタルツインを実現するCAEの真価

熱流体シミュレーションを高速化するAIアルゴリズムがDTSU事業に採択CAEニュース

RICOSの「製品デザインの自動設計につながる熱流体シミュレーションAI」がNEDOの「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業」に採択された。

» 2024年04月18日 09時00分 公開
[MONOist]

 RICOSは2024年4月1日、同社の「製品デザインの自動設計につながる熱流体シミュレーションAI」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU事業)」に採択されたと発表した。独自のアルゴリズム「IsoGCN」の改善を図る。

 DTSU事業は、国や世界全体で対処すべき経済社会課題の解決にも資する、革新的な技術の研究開発に取り組む「ディープテック・スタートアップ」を対象とする。長期的視野から、実用化研究開発や量産化実証などを支援する。

 同社は、物理現象への親和性が高い独自のAI技術を有し、熱流体向けのAI-CAEシステムを開発している。DTSU事業に採択された熱流体シミュレーションAIは、顧客ニーズを既に特定しており、開発システムを迅速に市場投入して販売拡大へつなげる考えだ。

 IsoGCNは、同社のAI-CAEツール「RICOS Lightning」に搭載するAIアルゴリズムだ。シミュレーションデータへの適用に特化したことで、高速かつ高精度にシミュレーション結果を予測できる。計算量を従来のシミュレーションよりも削減できるため、抜本的にシミュレーションを高速化する。

 アルゴリズムに流体解析、熱解析、構造解析などの手法も組み込んでおり、従来のシミュレーションと同様に、3Dデータを詳細に把握して新しい製品形状でも信頼性の高い結果が得られる。また、CAEシミュレーションに必須だった厳密なメッシング作業が不要で、設計者やデザイナー以外でも容易に操作できる。

 同社は今回の助成金でIsoGCNを改善し、熱流体解析など幅広い技術領域に適用可能なアルゴリズムを開発する。これにより、幅広いユーザーの設計、解析業務の高度化、コスト低減を目指す。

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