武田薬品工業は、山口県の光工場に炎症性腸疾患治療薬「Entyvio」の新製造ラインを増設し、商用稼働を開始した。投資額は約70億円。同工場のEntyvio製造能力はこれまでの3倍以上になる見込みだ。
武田薬品工業は2024年3月6日、光工場(山口県光市)にIBD(炎症性腸疾患)治療薬「Entyvio(エンタイビオ、一般名:ベドリズマブ)」の新製造ラインを増設し、商用稼働を開始したと発表した。投資額は約70億円となる。
ヒト化モノクローナル抗体のEntyvioは、世界50カ国以上で点滴静注製剤および皮下注射製剤として製造販売承認を取得している生物学的薬剤だ。
同工場のEntyvio製造能力は、これまでの3倍以上になる見込み。これにより、CMO(医薬品製造受託機関)に委託していたEntyvioのバイアル製品製造の大部分を内製化することが可能だ。
全長約80mの新製造ラインには、品質向上のため、従来の無菌製剤製造工程と比較して汚染リスクを大幅に減少できるアイソレーター技術と、滅菌済みのシングルユースシステムを導入。また、製造状況のリアルタイムモニタリングと集約したビッグデータ分析、製造工程へのフィードバックなど、製造DX(デジタルトランスフォーメーション)の最新技術を集約している。
新技術への対応や無菌環境における従業員の作業トレーニングには、AR(拡張現実)技術やVR(仮想現実)技術を活用している。
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