本連載第32回、第45回、第51回、第57回、第90回、第100回で北欧全体のデータ駆動型デジタルヘルス施策を取り上げてきたが、今回はフィンランドの医療/社会福祉におけるDXやSXの動向に焦点を当てる。
本連載第32回、第45回、第51回、第57回、第90回、第100回で北欧全体のデータ駆動型デジタルヘルス施策を取り上げてきたが、今回はフィンランドの医療と社会福祉におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)やSX(サステナビリティトランスフォーメーション)の動向に焦点を当てる。
本連載第70回で、フィンランド・イノベーション基金(SITRA)が調整役となり、2021年2月1日〜2023年7月31日の間、欧州保健データスペース(EHDS)のパイロット・プロジェクトとして実施された「欧州保健データスペースに向けた共同行動(TEHDAS)」(関連情報)を紹介した。その後TEHDASは、2024年2月2日、欧州委員会に、TEHDAS 2のプロジェクト提案書を提出したことを公表するなど(関連情報)、すでにEHDSの次ステップに向けた動きが本格化している。
このような保健医療データの多国間連携拡大策と並行してフィンランド国内では、2023年12月1日、社会福祉・保健省が、「医療・社会福祉におけるデジタル化・情報管理戦略」(関連情報)を公表した。今回公表された戦略は、以下のような構成になっている。
まず本戦略では、「医療・社会福祉サービス向けのデジタル基盤を構築する」というビジョンの下に、以下の4つの目標を掲げている。
その上で、図1のような戦略ロードマップを提示している。
図1 医療・社会福祉におけるデジタル化・情報管理戦略のロードマップ[クリックで拡大] 出所:Ministry of Social Affairs and Health Strategy「Strategy for digitalisation and information management in healthcare and social welfare」(2023年12月1日)を基にヘルスケアクラウド研究会作成そして表1は、上記の戦略ロードマップで設定された13のタスクと責任主体、指標を整理したものである。
表1 戦略ロードマップのタスクと責任主体、指標[クリックで拡大] 出所:Ministry of Social Affairs and Health Strategy「Strategy for digitalisation and information management in healthcare and social welfare」(2023年12月1日)を基にヘルスケアクラウド研究会作成Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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