本連載で取り上げた北欧・バルト海諸国のヘルスデータ改革の波は、AI(人工知能)戦略と融合しようとしている。
本連載第32回で取り上げた北欧・バルト海諸国のヘルスデータ改革の波は、AI(人工知能)戦略と融合しようとしている。
2019年3月14日、デンマーク王国政府の財務省と産業・ビジネス・金融省は、「デンマーク国家人工知能戦略」を発表した(図1参照、関連情報)。
デンマーク政府は、OECDおよび欧州委員会の定義(関連情報を引用しながら、AIについて、アルゴリズム(数式)に基づくシステムで、データにおけるパターンの分析および特定によって、最適なソリューションを特定することができるものであるとしている。
この戦略では、「AIの責任ある開発および利用において、デンマークがフロントランナーとなる」をビジョンとして、以下の4つの目標を掲げている。
これらの目標を達成するため、表1に示す通り、4つの焦点領域に総計20の具体的なイニシアチブが設定された。
その上でデンマーク政府は、AIの優先順位が高い領域として、以下の4つを挙げている。
これらのうち医療については、医師が病気をより迅速に診断したり、最も救急ニーズの高い患者を優先させて、病院のよりよい稼働率に貢献したりするために、AIを役立てることができるとしている。デンマーク政府は、医療分野の具体的なAIプロジェクトの例として、心不全の特定、CAT/MRIスキャン支援を挙げている。
国家AI戦略に先立ち、デンマーク産業・ビジネス・金融省は、2018年1月、「デジタル成長戦略」(関連情報)を発表している。その中でもAIは、ビッグデータ分析、IoT、ロボティクスと並ぶデジタル技術の有望適用領域として位置付けられている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.