ユアサ木材は、リグノセルロースナノファイバー(LCNF)を添加した塗料の性能試験を実施した。北海道道東地域に約100haの社有林を保有する同社と林産試験場が共同で取り組み、間伐材や未利用材の高付加価値化を図る。
ユアサ木材は2024年3月5日、リグノセルロースナノファイバー(LCNF)を添加した塗料の性能試験を実施したと発表した。北海道道東地域に約100haの社有林を保有する同社と林産試験場が共同で取り組み、間伐材や未利用材の高付加価値化を図る。
LCNFは、セルロースナノファイバー(CNF)の製造におけるリグニン除去工程を経ず、木粉を直接解繊して作られる。脱リグニンに必要な設備や薬剤、エネルギーを削減し、製造時の環境負荷を抑制できる上、リグニンの特性を付与することが可能だ。
リグニンは疎水性や紫外線吸収性が高いことから、LCNFを塗料に添加することで耐候性向上が期待される。
性能試験では、北海道産の針葉樹と広葉樹のうち、数種類をLCNF化して用いた。樹種により差があるものの、塗料への数%の添付で液ダレ防止効果を見込める高いチキソトロピー性を確認した。一方、約1500時間の促進耐候性試験と屋外暴露試験では、変色抑制効果が認められたものの、高い耐候性を示す結果は得られなかった。
両者は、添付割合を増やすことで耐候性を改善できると見込んでおり、商品化に向けた研究を進める考えだ。
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