大王製紙は、東北大学、東京大学、産業技術総合研究所と共同で、セルロースナノファイバーによる半導体材料の開発を開始する。東北大学の研究グループによる研究成果を基に、新規バイオ系半導体の実用化を目指す。
大王製紙は2023年6月21日、東北大学、東京大学、産業技術総合研究所と共同で、セルロースナノファイバー(CNF)による半導体材料の開発を開始すると発表した。東北大学の研究グループによるCNFの半導体特性に関する研究成果をもとに、新規バイオ系半導体の実用化を目指す。
CNFは、木材などから得られる植物繊維を、nm(10億分の1)サイズまでほぐして微細化した素材だ。軽量、高強度で、保水性が高いなどの特性を有し、自動車部品や日用品など、さまざまな用途に利用が広がっている。
同社は、水分散液、透明水分散液、乾燥体、成形体、複合樹脂の5形態のCNFを取り扱う。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)および環境省の事業成果の一部として、このうち水分散液(150トン/年)、乾燥体(63トン/年)、複合樹脂(100トン/年)の3つのパイロットプラントを愛媛県四国中央市にある三島工場に設置し、コストを抑えたCNF製造プロセスの開発に取り組んでいる。今後、4者による共同研究で、CNFの新たな用途を発見する考えだ。
なお、同開発事業は、NEDOの「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」のうち、「エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」の研究開発テーマに採択されている。
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