インフィニオンのICW事業がエッジAI対応を含めてIoT市場への展開をより強化していくため、2024年内に投入する新製品となるのがPSoC Edge、PSoC Control、PSoC Connectである。
3製品ともサイプレス時代から積み重ねてきたPSoCのブランドを名称に採用している。PSoC Edgeは先進のHMI(Human Machine Interface)を搭載するエッジAI対応マイコン、PSoC Controlはモーターおよび電源制御用の次世代マイコン、PSoC ConnectはPSoCの制御機能とAIROCブランドで培った無線通信技術を融合したコネクテッドマイコンという位置付けだ。
PSoC Edgeは、最新の「Cortex-Mシリーズ」やMLアルゴリズムを効率的に実行できるNPU(ニューラルプロセッシングユニット)「Ethos-Uシリーズ」などArmのマイコン向けIPをフル活用した製品となる予定だ。セキュリティについてもPSA(Platform Security Architecture)でレベル4の認証を獲得できるとしている。2024年4月開催のEmbedded World 2024で詳細な仕様を含めて正式発表する予定である。
PSoC Controlは、産業機器向けマイコンとして2024年夏ごろの発表を予定している。インフィニオンが得意とするSiC(シリコンカーバイド)やGaN(窒化ガリウム)などのWBG(ワイドバンドギャップ)パワー半導体を用いたシステムの制御に対応しており、機能安全規格でClass B/SIL 2に準拠するとともに、セキュリティではPSAのレベル3認証を獲得できるという。
そしてPSoC Connectは、Wi-Fi/BluetoothもしくはBluetooth単体の無線通信機能を搭載したコネクテッドマイコンとなる。2024年後半に、Wi-Fi/BluetoothのコンボICの機能を搭載する品種と、Bluetooth単体機能を搭載する品種を発表する計画で、Wi-Fi 6/7やBluetooth 5/6などの最新規格に対応していく方針だ。また、マイコンの機能を持たないコンボICやBluetooth ICは、これまで展開してきたAIROCブランドの下で製品を投入していく。
なお、製品ロードマップでは、IoT向けの「PSoC 4」と「PSoC 6」、産業機器向けの「XMCシリーズ」といった現行のマイコン製品が65nm世代であり、2024年内に投入する製品ではPSoC EdgeがIoT向け、PSoC Controlが産業機器向けの最新ラインアップとなり40nm世代に位置付けられる。産業機器向けマイコンについては、XMCシリーズは65nm世代のままで機能追加などはあり得るものの、40nm世代以降の製品はPSoC Controlのブランド名称で展開していく方針だ。
AIROCで展開してきたコネクテッドマイコンや無線通信ICは現行が28nm世代だが、2024年内に投入する製品からはコネクテッドマイコンはPSoC Connect、無線通信ICはAIROCで展開して行く。これらの最新製品のプロセスは22nm世代に移行することになる。
ジャハ氏は「ICW事業では売上高に対して30%もの研究開発投資を行っており、IoT市場を上回る成長を続けている。直近5年間では、スマートホーム、家電、産業機器、ヘルスケア&ライフスタイルの4分野に注力してさらなる成長を目指していきたい」と述べている。
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