インフィニオン テクノロジーズ ジャパンがセンサーブランド「XENSIV」製品群の事業展開について説明。注力4市場の今後5年間の年平均成長率見込みである17.1%を大きく上回る売上高の拡大を目指していく方針である。
インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは2023年11月30日、東京都内で会見を開き、同社のセンサーブランド「XENSIV(センシブ)」製品群の事業展開について説明した。MEMSマイクロフォン、レーダー、3D TOFセンサー、環境センサーといった高成長市場に注力し、これら4市場の今後5年間の年平均成長率見込みである17.1%を大きく上回る売上高の拡大を目指していく方針である。
大手半導体メーカーであるインフィニオンだが、同社を代表する半導体製品と言えばパワー半導体や車載マイコンなどがまず挙げられるだろう。ただし、XENSIVのブランド名称で展開するセンサー製品群は、RF(高周波)関連と合計した製品別売上高で全社の約10%に当たる約16億ユーロ(約2580億円)を占めており、決して金額規模として小さいものではない。インフィニオン テクノロジーズ ジャパン パワー&センサーシステムズ(PSS)事業本部 センサーシステムズ&IoT 部長の浦川辰也氏は「車載センサーではトップのボッシュとほぼ同じシェアの第2位だ。この車載分野で培ったセンサーの技術を他の産業分野に展開していくことで、XENSIVの事業を拡大してきた」と語る。
XENSIV製品群の中でもこの10年間で大きく成長を遂げてきたのがMEMSマイクロフォンだ。他社へのOEM供給を含めたMEMSのダイベースのシェアでは2021年時点で45%となっており、競合のノウルズエレクトロニクス(Knowles Electronics)を上回ってトップに立っている。
XENSIV製品群の事業展開では、このMEMSマイクロフォンを筆頭に、車載レーダーで培った技術を横展開している24GHz帯と60GHz帯のレーダーIC、3D ToFセンサー、CO2などの環境センサーを注力市場としている。「これら4つのセンサー市場を合計すると、今後5年間で年平均17.1%という高い成長が見込まれている。世界全体のセンサー市場の成長予測が4.7%なのでこれを大きく上回っている。XENSIV製品群の日本国内での事業展開では、この年平均17.1%を大幅に上回る成長を目指していきたい」(浦川氏)という。
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