回復基調続く新車生産、中国は販売低迷で各社2桁パーセント減自動車メーカー生産動向(2/3 ページ)

» 2023年09月27日 08時30分 公開
[MONOist]

スズキ

 ホンダ、日産自動車を上回り、トヨタに次ぐ2番手につけたのがスズキだ。7月のグローバル生産は、前年同月比0.8%増の29万4504台と2カ月ぶりにプラスへ転じた。世界生産の3分の2を占めるインドは、同1.0%増と2カ月ぶりに増加。単月のインド生産として過去最高を記録した。ただ、パキスタンなどが減少し、海外生産合計は同0.3%減の21万2264台と2カ月連続のマイナスだった。

 国内生産は、前年同月比3.9%増の8万2240台と5カ月連続で増加した。輸出は同7.1%減と落ち込んだものの、国内市場向けが伸長した。8月の新車販売台数でも、「スペーシア」が同29.9%増、「ハスラー」が同53.6%増と主力モデルがそろって大幅に増加した。

ホンダ

 8社の中で最も厳しい結果となったのが、ホンダだ。7月のグローバル生産台数は、前年同月比19.2%減の27万8755台と2カ月連続のマイナスだった。グローバル生産が2桁パーセント減だったのはホンダのみ。スズキに次ぐ3位だが、4位の日産との差は7250台と小差だった。

 要因は最大市場の中国で、前年がロックダウンから挽回生産を実施したこともあり、前年同月比57.2%減と半減し、2カ月連続のマイナス。アジアトータルでも同47.9%減と2カ月連続で減少した。一方、北米は旺盛な需要に加えて半導体の供給改善により、同60.0%増と7カ月連続のプラス。北米生産の5社で最も高い伸びを示した。それでも、中国の減産が響き、海外生産は同22.5%減の21万9783台と、2カ月連続のマイナスとなった。

 国内生産も伸び悩み、前年同月比4.2%減の5万8972台と2カ月連続で前年実績を下回った。8月の国内販売では、量販車種の「N-BOX」はフルモデルチェンジを控えながらも同51.1%増と好調を維持している一方で、「フリード」「フィット」「ステップワゴン」といった登録車の主力モデルが2桁パーセント減と低迷している。なお、納期は着実に改善しており、N-BOXや「N-WGN」は1カ月、フィットのHEVで3カ月程度となっている。1年以上要するのはステップワゴンのガソリン車と、新型車「ZR-V」のHEVのみとしている。

日産自動車

 日産自動車の7月のグローバル生産は、前年同月比4.7%減の27万1505台と6カ月ぶりにマイナスへ転じた。ホンダ同様に中国が同41.4%減と低迷し、足を引っ張る格好となった。なお、この台数は小型商用車(LCV)を手掛ける東風汽車(DFAC)の株式売却に合わせLCVを除いて前年比を比較しており、日産の中国事業として前年実績にLCVを含むと同46.3%減となる。

 一方、北米は好調で、米国は前年同月比20.3%増と4カ月連続のプラス、メキシコに至っては同103.2%増と倍増し、8カ月連続で増加した。英国も同26.2%増と好調が続いているものの、中国の落ち込みにより海外生産トータルでは、同10.8%減の20万7710台と2カ月連続で前年実績を下回った。

 国内生産は回復基調が続いている。前年同月比22.6%増の6万3795台と15カ月連続のプラス。「エクストレイル」や「セレナ」といった国内市場向け新型車が好調な他、輸出も同43.3%増と増加。ただ、コロナ禍前の2019年7月との比較では15.8%減にとどまった。

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