仕入れ先の火災により減産を余儀なくされたのがダイハツだ。7月のグローバル生産台数は、前年同月比4.6%減の12万5596台と2カ月連続で減少した。要因は国内生産で、同24.7%減の5万2948台と2カ月連続のマイナスで、8社で最大の落ち幅となった。6月18日に、リヤアクスルなどのユニット部品を調達する浅野歯車工作所で工場火災が発生。これにより本社工場(大阪府池田市)や滋賀工場(滋賀県竜王町)、ダイハツ九州で稼働を停止した。
7月10日から順次再開したが、対象車種が「タント」「ロッキー/ライズ(トヨタ向けOEM)」「タフト」「ミライース」「ハイゼットトラック」「ハイゼットカーゴ」など多岐にわたるため、大幅な減産影響が出た。また、ロッキー/ライズのHEVで発覚したポール側面衝突試験の認証手続き不正による生産調整も実施した。
一方、海外生産は新型車効果により好調で、前年同月比18.3%増の7万2648台と2カ月ぶりのプラス。内訳はインドネシアが同0.2%増と微増だったが、マレーシアは同61.8%増と高い伸びを示した。
マツダの7月のグローバル生産台数は、前年同月比2.6%増の10万2378台と、2カ月ぶりに前年実績を上回った。主力の国内生産は同3.2%増の7万2232台と、2カ月ぶりのプラス。ただ、コロナ禍前の2019年7月との比較では18.8%減にとどまった。車種別では主力の「CX-5」が同0.5%増と微増。一方、「マツダ3」は同25.1%増、「CX-30」は同64.4%増と大幅増となった。
海外生産は、前年同月比1.2%増の3万146台と2カ月ぶりに前年実績を上回った。タイは、前年4月に日本市場向け「CX-3」の生産を開始した反動の他、タイ向けの「マツダ2」やCX-30の在庫調整などにより、同6.2%減と2カ月連続のマイナス。メキシコは、メキシコ市場での販売好調により同22.1%増と伸長した。ただ、米国工場は、7月からの2直化に合わせて品質確保のために従業員の習熟度などを考慮したため、同5.2%減と前年実績を下回った。北米トータルでは同17.5%増と14カ月連続で増加した。
中国は新型車「CX-50」の生産が加わったものの、マツダ3やCX-30などの生産調整、一汽乗用車への生産委託の終了により前年同月比28.7%減と、3カ月連続のマイナスだった。
三菱自動車の7月のグローバル生産台数は、前年同月比8.9%減の8万7760台と5カ月ぶりにマイナスへ転じた。このうち国内生産は、同0.7%減の4万3042台と微減だったが、8カ月ぶりに前年実績を下回った。販売好調な新型車「デリカミニ」が純増となったものの、軽自動車EVの「eKクロスEV」および日産向けOEM「サクラ」が一巡した影響が出た。
海外生産は、前年同月比15.7%減の4万4718台と2カ月連続のマイナス。主要地域の東南アジアは、最大拠点を構えるタイが同2.1%減、インドネシアは同11.0%減だった。加えて中国は、2022年12月に投入したばかりの新型「アウトランダー」が深刻な販売不振に陥る事態となっており、4月から中国での生産を停止している。
SUBARU(スバル)の7月のグローバル生産台数は、前年同月比8.0%増の8万5192台と6カ月連続で増加した。コロナ禍前の2019年7月との比較でも0.5%減と同水準で、半導体の供給が改善している様子が伺える。
このうち主要拠点の国内生産は、前年同月比2.9%増の6万1432台と6カ月連続で増加。輸出も同19.3%増と6カ月連続のプラスだった。さらに唯一の海外拠点である米国生産は国内以上に好調で、同24.0%増の2万3760台と6カ月連続で増加した。
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