トヨタ自動車は2024年3月期第1四半期の決算を発表した。
トヨタ自動車は2023年8月1日、2024年3月期第1四半期(2023年4〜6月期)の決算を発表した。営業収益(売上高)は前年同期比24.2%増の10兆5468億円、営業利益は同93.7%増の1兆1209億円、当期利益は同78.0%増の1兆3113億円となった。連結販売台数は同15.5%増の232.6万台で、日本、北米、欧州、アジア、その他地域の全てで増加した。
トヨタ・レクサス販売台数は前年同期比8.4%増の253.8万台。電動車比率は前年同期から5.7ポイント増加して34.2%だった。電動車の販売台数は前年同期比29.9%増の86.8万台で、このうち80.7万台がHEV(ハイブリッド車)だ。HEVの販売は同26.1%増、PHEV(プラグインハイブリッド車)が同36.6%増で販売が増加した他、EV(電気自動車)は前年同期比622.5%と大幅増となった。FCV(燃料電池車)も同52.9%増だった。
営業利益は前年同期比で5422億円増となったが、為替やスワップの影響を除くと3750億円のプラスだった。原価改善で750億円のプラス要因を生み出したが、資材高騰の2300億円を吸収しきれなかった他、労務費やデジタル化などへの投資が増加して諸経費は700億円の減益要因となった。これに対し、販売台数の増加や構成の改善、海外を中心とした価格改定で6000億円のプラスを生み出した。
地域別の営業利益は、アジア以外で増加した。北米は、半導体の需給改善や仕入先を含めた生産性向上による販売台数の増加に加えて、商品力に応じた価格改定が増益に貢献した。日本や欧州、その他地域も好調な販売で増益を確保した。アジアは中国を除くと増益だった。なお、北米はさらなる供給台数の拡大に向けて生産基盤の強化が今後必要になるとしている。
中国は、為替変動の影響の他、厳しい価格競争による販売費の増加で減益となった。中国でのトヨタ・レクサス販売台数は前年同期比8.6%増の49.9万台だった。
2024年3月期(2023年度)通期の業績見通しはこれまでの予想を据え置いた。営業収益は前年度比2.3%増の38兆円、営業利益は同10.1%増の3兆円、当期利益は同5.2%増の2兆5800億円を見込む。
トヨタ自動車は2023年7月31日、中国市場での競争力強化に向けて、現地での知能化や電動化の技術開発を強化すると発表した。
中国トヨタ最大の研究開発拠点は2023年8月1日付で「トヨタ知能電動車研究開発センター(中国)有限会社<Intelligent ElectroMobility R&D Center by TOYOTA (China)>」(IEM by TOYOTA)に改称する。
また、中国における合弁会社の研究開発拠点3カ所(一汽トヨタ自動車 技術研究開発支社、広汽トヨタ自動車、BYD TOYOTA EV TECHNOLOGYカンパニー)のエンジニアなどを、IEM by TOYOTA主導の開発プロジェクトに投入する。
電動化に関しては、EV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、HEV(ハイブリッド車)、FCV(燃料電池車)の現地開発を強化する。デンソーやアイシンもIEM by TOYOTAに参加し、電動パワートレイン開発を加速さえる。
知能化では、空間設計やAI(人工知能)活用を通じてユーザー体験を向上させたスマートコックピットや、中国の実情に合わせた自動運転技術や先進安全機能の現地開発を加速させる。
電動化と知能化の両方で、現地サプライヤーの開拓、部品設計の見直し、生産技術やモノづくりの改革を通じて製造コストを大幅に削減することを目指す。
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