トヨタ自動車はフルモデルチェンジした「アルファード」「ヴェルファイア」を発売した。2015年以来8年ぶりの全面改良となる。
トヨタ自動車は2023年6月21日、東京都内で会見を開き、フルモデルチェンジした「アルファード」「ヴェルファイア」を発売したと発表した。2015年以来8年ぶりの全面改良となる。
一般的な機械式駐車場の上限サイズとなる全長5000mm×全幅1850mm以下を維持しながら意匠を高めた。また、振動やノイズを抑えて乗り心地を向上するとともに、さまざまなおもてなし装備を採用し、快適な移動空間を追求した。
月間販売基準台数は8500台で、アルファードが7割、ヴェルファイアが3割と見込む。生産はトヨタ車体のいなべ工場(三重県いなべ市)だ。税込みメーカー希望小売価格はアルファードが540万〜872万円、ヴェルファイアが655万〜892万円となる。両モデルとも排気量2.5l(リットル)のエンジンを使用するシリーズパラレルハイブリッドシステムが選択できる。
HEV(ハイブリッド車)以外は、アルファードが排気量2.5lのガソリンエンジンとCVTであるのに対し、ヴェルファイアでは走りを重視して排気量2.4lのターボエンジンに8速ATを組み合わせる。運転する楽しさを提供するため、ヴェルファイアにはラジエーターサポートとサイドメンバーをつなぐフロントパフォーマンスブレースを追加してボディー剛性を高め、応答性の良さを実現した。ハイブリッドモデル、ガソリンエンジンモデル共に4WDと2WDから選択できる。
また、新型アルファード/ヴェルファイアは多様な電動車の提供に対応した「マルチパスウェイプラットフォーム」を採用しており、バッテリーを含むプラグインハイブリッドシステムを搭載するスペースが確保されている。今後、新型アルファード/ヴェルファイアのPHEV(プラグインハイブリッド車)も投入する計画だ。
新型アルファード/ヴェルファイアは海外での販売地域を2倍以上に拡大する。これまで新車で販売する地域はわずかだったが、日本から輸出された中古のアルファード/ヴェルファイアがショーファーカーとしてさまざまな地域で活躍していることを踏まえた。国内外の需要によっては、国内でのブリッジ生産も視野に入れている。
会見に出席したトヨタ自動車 執行役員 デザイン領域 領域長 Chief Branding OfficerのSimon Humphries(サイモン・ハンフリーズ)氏は、セダンしか認められなかったショーファーカーの中で、アルファード/ヴェルファイアが評価を勝ち取ってきたことに言及した。ユーザーの1人であるトヨタ自動車 代表取締役会長の豊田章男氏は移動中にゆったり仕事ができ、会議の合間にくつろげることがワークスタイルに合うとして評価していたという。
ハンフリーズ氏は、ショーファーカーの選択肢を充実させていく方針も示した。例えば、「クラウンセダン」はFCV(燃料電池車)も設定し、エレガントでカーボンニュートラルなショーファーカーとしてアルファード/ヴェルファイアと差別化する。また、「究極のショーファーカーであるセンチュリーも大胆に変えようと動いている。2023年内にはトヨタのショーファーシリーズに新たなエディションが加わる」(ハンフリーズ氏)とコメントした。
新型アルファード/ヴェルファイアは、企画、開発から生産までトヨタ車体が一気通貫で責任を持つバン事業体制の下で生まれた。デザインに関しては、「箱型ではないワンボックスであることにこだわり、体格にふさわしい美しい筋肉を身に着けた」(ハンフリーズ氏)という。大きな筋肉の塊が力強く突進する姿を目指して抑揚をつけた。
ミニバンの側面は平板になりがちだが、新型アルファード/ヴェルファイアでは最も出っ張ったところとへこんだところの差が44mm(先代モデルから20mm増)と、従来と比べて大きなメリハリを持たせてフード先端からリアまで広がりながら続く面変化を実現した。
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