中国での販売台数減少は想定通り、「HEVやエンジン車もまだ売れる」製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2023年08月10日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
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地域別の動向

 2023年4〜6月期の四輪事業の小売り実績を地域別に見ると、米国が前年同期比44.7%増の34.7万台、日本が同1.2%減の11.5万台、中国が同5.0%減の30.9万台だった。米国は、半導体の供給状況の改善と生産の回復、2022年度に投入したモデルの好調な売れ行きにより大幅増となった。

 中国は、新エネルギー車(NEV)の市場拡大に伴う競争激化で前年同期を下回った。販売状況は引き続き、値下げ競争やNEVのシェア拡大、景気後退などで厳しいが、既に発表済みの業績見通しにはこうした状況は織り込み済みで、中国の販売目標も据え置く。2023年4〜6月期の販売台数減少も見込み通りだ。PHEV(プラグインハイブリッド車)やEV(電気自動車)も展開するが、当面はガソリン車やHEV(ハイブリッド車)の販売にも力を入れる。沿岸部はNEVシフトが進むが、内陸部はガソリン車やHEVがまだ売れるためだ。エリアに合わせた販売促進を実施する。

 中国以外のアジア市場でも販売台数が前年同期を下回ったが、中国自動車メーカーがアジア展開を強化している影響はまだ出ていないという。マレーシアでモデルの鮮度が落ちており、在庫調整を行った。インドは新型車を投入するまで展開車種が少ないという状況だ。パキスタンは洪水の影響で経済自体が低調であるだけでなく、生産を停止したことも響いた。

 米国は市場が回復し、需要が供給を上回っている状況だ。ホンダとしても全体の傾向と同様の状況にあり、当初の通期販売目標は維持する。ただ、米国の景気の不確実さが高まっているため、市場の動向は注視するという。

 二輪事業の卸売実績は全体としては前年同期を上回った。地域別に見るとインドが前年同期比4.3%減、ベトナムが同4.9%減となるなど減少したが、インドネシアが前年の半導体供給の影響から回復して生産が安定し、同63.0%増の大幅増となった。インドでは半導体供給不足が、ベトナムでは景気減速が影響したが、半導体不足の影響は2023年7〜9月期以降で挽回する。

2023年4〜6月期の地域別販売[クリックで拡大] 出所:ホンダ

2023年度通期の見通し

 2024年3月期通期(2023年度)の業績見通しは前回の予想を据え置いた。売上高は前年度比7.6%増の18兆2000億円、営業利益が同28.1%増の1兆円、当期利益が同22.8%増の8000億円を見込む。2023年4〜6月期の営業利益は業績見通しに対して高い進捗率ではあるが、販売はもともとの計画に対して予定通りであるため通期予想を据え置く。為替や景気の動向を踏まえながら、2023年4〜9月期(2023年度上期)の決算に向けて見通しを精査するという。

 半導体供給不足の影響は2023年度上期もある程度残るが、これまでのように急に不足して対応に追われることはなく、数カ月先を見ながら半導体メーカーと直接交渉できているため、2023年度下期で生産と販売を伸ばせる見通しだ。二輪車はインドで特定の半導体の供給に制約が出ているが、部品の入れ替えに伴う限定的な供給不足だとしている。

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