コーセーは、口腔粘膜から唇と周辺皮膚までのヒトの口唇を再現した「3次元口唇モデル」を開発した。ヒトの口唇組織と類似した構造と細胞分化のメカニズムを持ち、化粧品成分や製品の有効性、安全性評価などでの活用が期待される。
コーセーは2023年6月15日、口腔粘膜から唇と周辺皮膚までのヒトの口唇を再現した「3次元口唇モデル」を発表した。ヒトの口唇組織と類似した構造と細胞分化のメカニズムを持ち、化粧品成分や製品の有効性、安全性評価などでの活用が期待される。新潟大学との共同研究による成果だ。
3次元口唇モデルは、表皮と口腔粘膜上皮に由来する細胞のみを培養して、口唇を再現している。具体的には、皮膚と口腔粘膜由来の細胞を仕切りの両側にまいた後、仕切りを外して両細胞を自発的に移動させる。その後、空気中で培養して、口唇モデルを作製した。
ヒトの皮膚や口唇、口腔粘膜は、細胞が成熟するまでの細胞分化のメカニズム(分化様式)が異なる。作製した口唇モデルを組織染色すると、実際のヒトの口唇組織と同様の分化様式を持つことが確認できた。
同社は今後、皮膚や口腔粘膜による代替手法でしか取り組めなかった唇の基盤研究、リップケア製品分の開発に、3次元口唇モデルを活用するとしている。
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