経済構造の国際体系「SNA」ってなんだ? 初歩から学ぶ経済の仕組み!イチから分かる! 楽しく学ぶ経済の話(1)(5/5 ページ)

» 2023年06月26日 08時00分 公開
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1人当たりGDPを国際比較してみよう

では、最後に1人当たりGDPについて比較してみましょう。


図5: 主要国の1人当たりGDP(名目値)※為替レート換算[クリックして拡大] 出所:小川製作所

上のグラフが1人当たりGDPの推移です。日本は1990年代にかけて急激に水準が高くなり、その後停滞していますが、他の主要国もリーマンショックあたりから停滞傾向となっています。


近年では日本はフランスと同程度でしたが、2022年は円安の影響もあって一気に落ち込んでいますね。米国とは大きな差がついています。韓国にも大分追い上げられていますね!


でも、国内総生産では大きな存在感のあった中国は、1人当たりではまだこれくらいの水準なのですね。インドに至っては、その中国の足元にもおよびません。


そうですね、中国やインドは人口が多いため1人当たりの水準では、まだまだ主要国と大きな差があります。しかし、裏を返せば、これらの国々はまだまだ大きな伸び代を持っているという事になりますね。


なるほど、確かにそうですね! 今後さらに存在感を増していく事が考えられそうです。


さて、今回は経済の大まかな構造と、第一歩となる付加価値の産出という面について解説しました。次回は、経済活動別の国内総生産について解説していきましょう。


楽しみです! 次回もどうぞよろしくお願いいたします!!


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筆者紹介

小川真由(おがわ まさよし)
株式会社小川製作所 取締役

慶應義塾大学 理工学部卒業(義塾賞受賞)、同大学院 理工学研究科 修士課程(専門はシステム工学、航空宇宙工学)修了後、富士重工業株式会社(現 株式会社SUBARU)航空宇宙カンパニーにて新規航空機の開発業務に従事。精密機械加工メーカーにて修業後、現職。

医療器具や食品加工機械分野での溶接・バフ研磨などの職人技術による部品製作、5軸加工などを駆使した航空機や半導体製造装置など先端分野の精密部品の供給、3D CADを活用した開発支援事業等を展開。日本の経済統計についてブログやTwitterでの情報発信も行っている。


監修者紹介

古川拓(ふるかわ たく)
TOKYO町工場HUB 代表

京都大学法学部卒。バンカーとして日米で通算15年間勤めたのち、2004年に独立。技術と創造力で社会課題の解決を促すソーシャルデザイン/プロデュースの道を進む。自ら起業家として活動しつつ、ベンチャーファンドの取締役、財団理事等を歴任し、国内外で活動してきた。

2017年よりスタートアップのエコシステム構築を目指すTOKYO町工場HUBの事業を開始。更に2022年より和文化(工芸、芸能、食文化)を海外向けにプロデュースするTokyo Heritage Partnersを立ち上げ、現在に至る。

2009年〜2020年:東京大学大学院新領域創成学科の非常勤講師(持続可能な社会のためのビジネスとファイナス)を務めた。現在、東京都足立区の経済活性化会議他、東京観光財団エキスパート(ものづくり分野担当)、各種審議委員会の委員を務める。


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