日本電産がOKKを買収、日本電産マシンツールに続き工作機械事業を本格強化製造マネジメントニュース

日本電産は2021年11月18日、工作機械メーカーのOKKを買収することを発表した。2021年2月に三菱重工業から買収した日本電産マシンツール(旧三菱重工工作機械)と合わせ、工作機械事業を本格的に拡大する方針だ。

» 2021年11月19日 07時00分 公開
[MONOist]

 日本電産は2021年11月18日、工作機械メーカーのOKKを買収することを発表した。2021年8月に三菱重工業から買収した日本電産マシンツール(旧三菱重工工作機械)と合わせ、工作機械事業を本格的に拡大する方針だ。

 OKKは創業100年を超える老舗の機械メーカーである。基礎的加工能力の高さが評価を受け、工作機械としても幅広い業種の顧客を獲得している。しかし、国内を中心とした営業活動にとどまり、海外展開に遅れた結果、2020年3月期(2019年度)、2021年3月期(2020年度)と2期連続で赤字になるなど、事業面で厳しい状況に陥っていた。

 一方で日本電産は「工作機械事業をグローバルの主役に」を目標として掲げ、日本電産マシンツールを傘下に収めた後もさらなる投資先を探しており、今回の買収へとつながった。株式取引としては、OKKが第三者割当増資を行い、その株式を日本電産に割り当てる形とする。これにより日本電産はOKKの発行済み株式(2400万株)の約66%に当たる1585万3444株を持つことになる。買収金額は約54億7895万円で、取引の実行日は2022年1月末を予定している。

 今回の買収により、OKKの強みである汎用性の高いマシニングセンタと、日本電産マシンツールの門形五面加工機や横中ぐりフライス盤などの大型機を組み合わせることで、小さな部品加工から大きな部品加工までさまざまなサイズの加工ニーズに対応できるラインアップをそろえられるようになる。加えて、OKKにとっては、日本電産グループの事業ノウハウやネットワークを活用することで、グローバル展開も可能となり、海外展開の拡大なども期待できるとしている。

 技術面でも、両社の技術を集結させることで開発力を高めることができ、現状の製品ラインアップとして保有していない製品についても市場投入を行えるとしている。また、生産面では、両社の製造拠点を活用した効率化や生産能力の拡大を進め、海外進出なども共同で行っていく考えだ。

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