次に、国内総生産の国際比較もしてみましょう。
上のグラフが主要国の国内総生産の推移です。国際比較をするには、各国のデータを比較できる形にそろえなければいけません。一般的には為替レートで換算した、ドル換算値が利用されます。当然、為替レート変動の影響を受けてアップダウンしていますが、おおまかな傾向は読み取れますね。
日本(青)は1990年代まで順調に成長していますが、その後5兆ドル前後で停滞が続いている様子がよく分かります。一方で、米国(赤)は成長を続け、中国(橙)は近年急激に成長が加速して日本を抜き去っていますね。
そうですね、いまや日本のGDPは米国の4分の1、中国の3分の1未満です。さらに2022年は円安に振れたこともあり、人口が日本の7割程度のドイツ(緑)にも肉薄されている状況です。
人口が半分程度の英国(水色)やフランス(紫)との差も縮まっているように見えます。インド(桃色)は2019年までのデータしかありませんが、既にその英国やフランスを凌ぐくらいにまで成長していますね。韓国(茶)との差も徐々に縮まっています。
ただ、各国で抱えている人口も異なりますので、GDPだけを見ていては正確な比較はできないのではないでしょうか?
はい、おっしゃる通りです。国民の豊かさは、人口1人当たりで比較した方がより分かりやすいですね。もちろん、年齢構成の違いなどもありますので注意が必要です。
ただし、20〜64歳の生産年齢人口の比率は、2018年の時点で日本54%、フランス55%、アメリカ59%、ドイツ60%と、主要国でせいぜい1割程度の差にとどまることは申し添えておきます。
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