三井化学と大阪ガスは、泉北コンビナートから排出されるCO2を回収し、利活用する事業の共同検討を開始した。
三井化学と大阪ガス(Daigas)は2023年5月31日、泉北コンビナートから排出されるCO2を回収し、利活用する事業の共同検討を開始したと発表した。今回の検討では同事業の概念設計および経済性試算を行う予定だ。
同事業では、三井化学大阪工場(大阪府高石市)でナフサや天然ガスを使って化学品を作る製造プラントと燃料を燃焼して蒸気や電力を生み出す用役設備、Daigasグループの泉北天然ガス発電所(大阪府堺市/高石市)、それぞれの排ガスからCO2を分離/回収し、メタンやメタノールなどの原料として再資源化して利活用(CCU)する他、地中貯留(CCS)することを目指す。
三井化学グループは2020年11月、2050年カーボンニュートラル宣言を行い、同社グループの温室効果ガス(GHG)排出量削減(Scope1、2)と、提供する製品のライフサイクル全体を通じたGHG削減貢献量の最大化により、カーボンニュートラル社会の実現に貢献すべく取り組みを進めている。GHG排出量削減では、Scope1、2におけるGHG排出量を、2030年度までに2013年度比で40%削減するという目標を設定している。
Daigasグループは、2021年1月に2050年のカーボンニュートラル実現に向けて挑戦していくことを宣言した。また、2023年3月9日に策定した「エネルギートランジション2030」の中では、鉄鋼/セメント/化学などの産業から大気中に排出されるCO2を回収し、e-methane(CO2をリサイクルして都市ガスの原料を作る技術のメタネーションによって合成されたメタン)として再利用することや、地中深くに圧入/貯留するCO2バリューチェーンの構築を検討し、環境負荷を低減する循環型社会に貢献することを宣言している。
両社は、共同検討を通じて、現在政府が検討を進めているカーボンニュートラル燃料供給拠点の実現に向けた泉北コンビナートにおける地域連携を推進するとともに、2050年のカーボンニュートラル社会実現に向けた取り組みを推進する。
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