三井化学と三菱ガス化学は、バイオマスポリカーボネート製品の生産および販売に向けた取り組みを開始した。三井化学がモノマー原料を供給し、それを用いたポリカーボネート樹脂の生産、販売を三菱ガス化学が担う。
三井化学と三菱ガス化学(MGC)は2023年2月9日、バイオマスポリカーボネート製品の生産および販売に向けた取り組みを開始したと発表した。三井化学がバイオマスビスフェノールA(バイオマスBPA)をモノマー原料として供給し、それを用いたポリカーボネート樹脂(PC)「ユーピロン」の生産および販売をMGCが担う。
「BePLAYER(ビープレイヤー)」ブランドから展開予定のバイオマスBPAは、石油由来のナフサとともにバイオマスナフサを原料に使用し、バイオマス度が高められた製品で、ISCC PLUS 認証制度に基づいたマスバランス方式で割り当てが認められている。
MGCは、鹿島工場(茨城県神栖市)で界面重合法によりバイオマスPCを生産している。グループ会社の鹿島ポリマーやMGCフィルシートが有する加工設備も活用することで、バイオマスPCに機能性を持たせる。同グループの三菱エンジニアリングプラスチックスや三菱ガス化学トレーディングの販売網を通じ、製販一貫でバイオマスPC製品を供給する考えだ。
また、鹿島工場およびMGCのグループ会社は、2023年末までにISCC PLUS 認証を取得する意向で、取得後には自動車、電気電子、光学、OA、半導体といったさまざまな分野に、マスバランス方式によるバイオマスPC製品の提供が可能になる。海外においても、タイと中国の製造拠点で、ISCC PLUS 認証の取得を目指す。
さらに、PCの全骨格をCO2由来または植物由来とすることを視野に、「環境循環型メタノール」を用いた製造も計画している。
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