欧州自動車メーカーで採用進むバイオプラスチック、日本向けの提案を強化:オートモーティブワールド2020
堀正工業は「オートモーティブワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)において、欧州で実績のあるバイオプラスチックの自動車用途での活用を訴えた。
堀正工業は「オートモーティブワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)において、欧州で実績のあるバイオプラスチックの自動車用途での活用を訴えた。
堀正工業がオランダのHEMPFLAXのアジア総代理店として展開している、HEMPの不織布。この素材をバイオプラスチックとして加工し自動車用途で提案している(クリックで拡大)
堀正工業はもともとは高性能ベアリングなどの総合商社だったが地球温暖化やエネルギー問題などの「環境配慮」が世界の潮流となる中でこれらに適合するビジネスに取り組む。その1つとして、オランダのHEMPFLAXと協業し、バイオプラスチックの展開を開始した。
HEMPFLAXは、オランダとルーマニアに2500ヘクタールの自社農場を持ち、年間1万トン以上のHEMP(麻)とFLAX(亜麻)の栽培と加工を行っている農業企業である。堀正工業はこのHEMPFLAXの日本およびアジア圏の総販売代理店となっている。
既に欧州ではHEMPFLAXの麻や亜麻を原材料としたバイオプラスチックが自動車メーカーに採用されている。具体的には「BMW i3」や「BMW 5シリーズ」のドアパネルなどに採用されているという。
BMW 5シリーズのドアパネルに採用されているバイオプラスチック型のサンプル(クリックで拡大)
日本ではまだ実績はないものの「既に欧州自動車メーカーではいくつか実績があることから、日本でも同様の動きは強まってくると見ている。日本と欧州では要求仕様が異なっているために、これらの仕様を詰め最適なパフォーマンスが出せるかどうか検証を進めている。SDGs(持続可能な開発目標)など環境配慮は世界的に大きな潮流となっており、こうした要求は今後さらに高まってくる」(説明員)としている。
- マツダの走りを陰で支える、高機能樹脂材料の開発秘話
マツダと聞くと「SKYACTIV」の名で知られるディーゼルエンジンやガソリンエンジンの燃焼技術、シャーシ技術や魂動デザインがイメージされる。SKYACTIVテクノロジーを実現する上でも重要な材料の開発技術にも力を入れている。とりわけ樹脂に関しては、軽量化やエコロジーの観点からも重要だ。
- 新型「アクセラ」への採用も!? マツダがバイオエンプラ新意匠2層成形技術を開発
マツダは、環境負荷を低減しながら、高い質感を実現できるバイオエンジニアリングプラスチック(バイオエンプラ)を用いた新意匠2層成形技術を開発したことを発表した。同技術により開発した自動車内装意匠部品を、今後の新型車から順次採用していく予定である。
- マツダ「ロードスター RF」の外装部品、無塗装のバイオエンプラを採用
マツダは、三菱化学と共同で開発したバイオエンプラを外装部品に採用すると発表した。これまでは内装部品に採用していたが、「ロードスター RF」を皮切りに外装部品にも展開を広げていく方針だ。
- 「プラスチック」と「樹脂」って何が違うの? それに「エンプラ」って何よ?
ママさん設計者と一緒に、設計実務でよく用いられる機械材料の基本と、試作の際に押さえておきたい選定ポイントと注意点を学んでいきましょう。今回は、非金属を語るにあたって外せない、機械材料の「強さの度合い」を表す指標について説明した後、プラスチックのあれこれについて紹介します。
- プラスチックやゴム用加工機で「つながる」を実現する「EUROMAP」とは何か
射出成形機などプラスチックやゴム用加工機などでスマート化に向けて注目されている通信規格が「EUROMAP 77」である。本連載では「EUROMAP」および「EUROMAP 77」「EUROMAP 83」とはどういう規格なのか、技術的にはどういう背景があるのか、どのような活用シーンがあるのかについて、紹介する。第1回となる今回は「EUROMAPとは何か」をテーマに概要を取り上げる。
- 高品質な部品は高度な材料技術から生まれる
高度な技術を持つ電子部品メーカーがしのぎを削る日本。年間売上高が数千億円に達する大手電子部品メーカーが数ある中、村田製作所は、セラミック材料技術をベースにした圧電デバイスを中心に独自のポジションを確立している。車載用途でも、ECUの電子回路に必須の積層セラミックコンデンサをはじめ、駐車支援システム用の超音波センサーやタイヤ圧監視システム(TPMS)用の加速度センサー、リチウムイオン電池など、国内外で積極的な事業展開を進めている。同社常務執行役員で営業本部本部長を務める後呂眞次氏に、車載用途での優位性や今後の事業戦略について聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.