マツダ「ロードスター RF」の外装部品、無塗装のバイオエンプラを採用 : 材料技術
マツダは、三菱化学と共同で開発したバイオエンプラを外装部品に採用すると発表した。これまでは内装部品に採用していたが、「ロードスター RF」を皮切りに外装部品にも展開を広げていく方針だ。
マツダは2016年12月8日、三菱化学と共同で開発した、植物由来原料を用いるバイオエンジニアリングプラスチック(以下、バイオエンプラ)を外装部品に採用すると発表した。これまでは内装部品に採用していたが、同年12月22日に発売する「ロードスター RF」を皮切りに外装部品にも展開を広げていく方針だ。
マツダの「ロードスター RF」の外観。バイオエンプラを外装部品に採用している。ボディーカラーは新色の「マシングレー」だ(クリックで拡大) 出典:マツダ
「ロードスター RF」の2トーンカラールーフ。電動開閉するハードトップ部になる(クリックで拡大) 出典:マツダ
同社は2014年12月、自動車の外装意匠部品として使用可能なバイオエンプラの開発を発表(関連記事:マツダの新型「ロードスター」、内装に新開発のバイオエンプラを採用 )。この時点では、2015年5月発売の「ロードスター」の内装部品に採用した後、量産車の外装部品に順次採用していくとしていた。
ロードスター以降も、「CX-9」や「アクセラ」、「デミオ」の内装部品としてバイオエンプラを採用している。ただし、外装部品への採用は、ロードスター RFが初となる。
植物由来のバイオエンプラは、石油由来材料の使用量が少ないため環境負荷が低い。しかし、強度や耐久性、質感といった性能面で劣ることが多く、外装部品に用いることは難しい。
マツダと三菱化学は、成形性がよく耐久性の高いバイオエンプラ母材を開発し、各種の添加剤、着色剤の混合による材料組成の最適化、成形時における金型仕様の最適化などに取り組むことにより、外装部品にも使用できる材料の開発に成功した。これにより、塗装を施したABS樹脂などの従来材料と同様の耐久性を持ちながら、塗装を行わない材料着色で高い質感を実現したという。
マツダのバイオエンプラの技術。従来技術(左)と新技術(右)の比較(クリックで拡大) 出典:マツダ
マツダは、このバイオエンプラを採用したロードスター RFを「エコプロ2016〜環境とエネルギーの未来展」(2016年12月8〜10日、東京ビッグサイト)で展示するとともに、同材料の技術展示を行う。
「NDロードスター」は「魂動デザイン」のセンター中のセンター
2012年2月発売の「CX-5」以降、「アテンザ」、「アクセラ」、「デミオ」と新世代商品の販売が好調なマツダ。その商品力を支えるデザインテーマ「魂動(こどう)−Soul of Motion」を生み出した、同社執行役員 デザイン本部長の前田育男氏に、魂動デザインを導入した意図や、今後のマツダデザインの方向性について聞いた。
マツダが新開発したバイオ素材、エコだけじゃないもう1つの狙いとは
マツダは「エコプロダクツ2014」で、三菱化学と共同で新開発した、自動車の外装意匠部品に使用可能なバイオエンジニアリングプラスチック製の部品を展示。その開発の背景には、環境への配慮に加えて商品性の追求といった狙いがあったという。
リトラクタブルハードトップの「ロードスター」、ソフトトップとは74万円差
マツダは、電動格納式ルーフを採用した「ロードスター RF」の予約受付を開始した。ソフトトップのロードスターは排気量1.5lのガソリンエンジンのみの設定だったのに対し、排気量2.0lのガソリンエンジンのみとなる。税込み価格は324万円から。
造形とボディーカラーでマツダだと分からせるための工夫
2012年2月にマツダがSUV「CX-5」を発売して4年余り。コンパクトカーの「デミオ」や、「アテンザ」「アクセラ」「CX-3」「ロードスター」、北米向けの「CX-9」や中国向けの「CX-4」に至るまで「魂動デザイン」の展開が進み、統一感を持ったデザインの新世代商品群がそろった。同社デザイン本部の玉谷聡氏に、マツダを象徴する造形とボディーカラーについて聞いた。
「ソウルレッド」の匠塗が「マシーングレー」に進化、極薄反射層で金属質感
マツダは、電動ハードトップ採用の「マツダ MX-5 RF」のボディカラーとして新開発の「マシーングレー」を採用した。「ソウルレッド」に続き、同社の魂動デザインを象徴する特別塗装色として導入する。新型「CX-9」から採用を始めた後幅広い車種に展開する方針。
新型「ロードスター」のバンパーアセンブリー、アルミニウム化で32%軽量化
UACJは、マツダの新型「マツダ ロードスター」に、アルミニウム製軽量バンパーアセンブリーが採用されたと発表した。各部位で材料や工法の最適化を図ることにより、従来比で約32%という大幅な軽量化を達成したという。
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