三井化学は大牟田工場内にあるトルエンジイソシアネートプラントの生産能力を2025年7月に縮小する。
三井化学は2023年3月28日、大牟田工場(福岡県大牟田市)で、ポリウレタン原料となるトルエンジイソシアネート(TDI)プラントの生産能力を2025年7月に縮小すると発表した。
大牟田工場では、イソシアネートチェーン(ウレタン原料を製造する事業チェーン)の基盤製品として、年間12万t(トン)の生産能力でTDIを製造し販売している。しかし、国内外の需給動向に合わせ、生産能力を年間5万t程度に縮小することが最適だと判断した。
今後は、大牟田工場でTDIの国内需要に応じた安定供給体制を維持するとともに、メガネレンズ材料や農業化学品といった高機能製品群の主力製造拠点として競争力を強化し、事業ポートフォリオ変革に向けて成長領域の事業拡大に貢献する。
また、同社は、長期経営計画「VISION 2030」で、ポリウレタン事業をベーシック&グリーン・マテリアルズ事業領域における再構築事業の1つと位置付けている。
同事業では、今回のTDI生産能力最適化や高機能ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、高機能ポリオール(PPG)などにより再構築を推進することで、収益変動度を低減し、資本効率を改善して、安定収益を確保できる事業基盤を構築していく。
一方、同社の大阪工場(大阪府高石市)では、製造しているバイオマストルエン(ISCC PLUS認証取得済み)を活用し、TDIのグリーン化検討とポリウレタンフォームのケミカルリサイクルスキームの構築を進めることでサーキュラーエコノミーの変革を推進する。
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