ハリマ化成グループは、食品包装材料規制であるFDA認証やBfRの認定、GB9685に準拠する新たなポリアクリルアミド系紙力増強剤「ハーマイドT2」を開発した。
ハリマ化成グループは2023年5月17日、食品包装材料規制である米国食品医薬品局(FDA)の認証やドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の認定、中国食品接触材料法規制のGB9685に準拠する新たなポリアクリルアミド系紙力増強剤「ハーマイドT2」を開発したと発表した。
以前から両イオン性のポリアクリルアミド(PAM)は存在していたが、三法規制に対応する間接食品添加物としての認証を取得し、高分子量かつ両イオン性を有するPAM系紙力増強剤はハーマイドT2が世界初だという。
ハーマイドT2は、製紙用薬品として、優れた乾燥紙力増強効果を発揮する。同じPAM系紙力増強剤のラインアップとしては、FDAとGB9685の認証を取得した両イオン性の「KS」シリーズと、FDA/BfR/GB9685の三法規制に対応しているアニオン性の「C-10」があり、必要とされる法規制対応や機能など、多様化する市場の要望に応えられる。
用途としては、食品包装用紙や世界各国の食品包装材料規制に対応した紙、板紙の抄紙工程だけでなく、乾燥紙力増強剤や濾水歩留まり向上剤としての使用も想定されている。
関連製品について、同社は、紙に耐水性を備えるロジン系サイズ剤では、エマルション型の「NeuRoz」シリーズと水溶液型の「ハーサイズL-50」で三法規制に対応している。紙素材に耐水性や耐油性、ヒートシール性を付与するバリアコート剤では、ハイコート「BC」シリーズで、FDAとBfRの認証を取得した。製紙工程では、木材パルプに由来するピッチトラブルを防ぐピッチコントロール剤「AS-02」で、FDAとGB9685の認証を取得している。
今後も海外諸国の法規制への対応を進め、安全性と機能性を高めた製品ラインアップを充実させ、グローバル展開を加速させていく。
なお、PAM系紙力増強剤は、パルプを抄紙する工程で、段ボールの素材となる板紙や印刷用紙、食品包装用紙に必要となる乾燥紙力を向上させる薬品。ポリマーの高分子量化、カチオン基やアニオン基の配置の最適化によって、乾燥紙力増強剤としての優れた機能を持ち、広範囲な使用条件下での効果を生み出す。
世界的に古紙の利用率が高まっている現在、リサイクルによって損なわれるパルプ繊維間の結合力を補い、再生された紙の強度を保つのに大きな力を発揮する。さらに、プラスチック使用量の削減を目的とした紙素材活用の観点からも効果的だ。
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