BASFは、アジアの顧客へのサポートをより充実させるために、バイオポリマー「ecovio」の生産設備を中国の上海に設置する。
BASFは2023年4月14日、アジアの顧客へのサポートをより充実させるために、バイオポリマー「ecovio(エコバイオ)」の生産設備を中国の上海に設置すると発表した。評価、検証が順調に完了でき次第、2023年半ば以降にアジア太平洋地域全土でecovioの量産販売が可能となる。
最初に販売されるecovioのコンパウンド製品としては、生分解性認証を受けたレジ袋や有機ごみ袋、生分解されて土に返る農業用マルチフィルム、包装材向けのフィルム用グレードを予定している。これによりアジア太平洋地域の顧客に、BASFのバイオポリマーとサービスをより短い納期で提供し、現地のプラスチック規制の動きにも速やかに対応できるようにする。
ecovioは、国際規格や各国の規格に基づいて認定された高品質のバイオポリマーで、工業用コンポストや家庭用コンポストの他、農地でも微生物によって生分解される。
また、生分解性プラスチックの規格「DIN EN 13432」などに適合する生分解性認証を受けている他、同社のPBAT(生分解性脂肪族 − 芳香族コポリエステル)である「ecoflex(エコフレックス)」と再生可能原材料の混合で、有機ごみ袋、食品包装用フィルム、果物/野菜用袋、農業用マルチフィルム、食品包装材に使える。
同社の研究では、生産、梱包、食品の品質保持期限、食品廃棄物の収集におけるecovioの利点が実証されている。実証では、工業用と家庭用のコンポスト、農地での生分解性も判明している。
加えて、堆肥の増加により、食品廃棄物が削減され、栄養物が土壌に還元されるだけでなく、農地における残留性マイクロプラスチック蓄積も避けられる。これが有機資源のリサイクルによる栄養物の継続的な循環につながり、循環経済に貢献する。
BASFのバイオポリマーは、欧州の食品接触材規則や米国食品医薬品局(FDA)の食品接触物質通知の要件を満たす、数少ない生分解性ポリマーだという。
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なぜBASFは製品4万5000点のCO2排出量を可視化できたのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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