先に結論を言えば、最初に取り組むべきは従業員が保有するスキルや経験のデータベース化です。一般的に問題解決は「ありたい姿と現在のギャップを把握し、打ち手を講じる」という進め方を取りますが、これはスキルに関しても同様です。自社の事業/組織に必要なスキルを定義し、現状を評価します。スキルギャップ(不足スキルや強化すべきスキル)を特定し、それを補うために必要な施策(能力開発プログラムの実施など)を講じ、PDCAを回していきます。
もし、組織として従業員が保有するスキルや経験をデータベース化していない場合、このような取り組みは困難と言わざるを得ません。実は、多くの製造業にとって、このスキルや経験のデータベース化が課題になっています。読者の皆さまの会社ではいかがでしょうか。
製造業は自社が持つ技術に誇りを持ち、競争優位性の源泉たるコア技術を把握しています。しかし、その技術を下支えするスキルや経験に関して、「誰がどんなスキルをどんなレベルで保有しているか」や「誰がどんな経験を積んでいるか」などの情報を組織として十分把握できていないケースが多い印象です。
スキルマネジメントの理想形は「自社に必要なスキルを定義し、評価/育成/維持すること。そして、その過程で生まれたスキルデータを可視化/利活用し、事業や組織課題の解決につなげること」です。
自社の力量管理/スキル管理が形骸化している場合、どのようにスキルや経験のデータベース化を進めれば良いのかと悩む方も多いでしょう。次回は、スキルの定義や整理の進め方に関して紹介していきます。
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