激変する製造業、今こそ「スキルマネジメント」で組織力向上を!ゼロから学ぶ! 製造業のスキルマネジメント(1)(3/3 ページ)

» 2023年05月17日 08時00分 公開
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データベース化を基に現状を評価

 先に結論を言えば、最初に取り組むべきは従業員が保有するスキルや経験のデータベース化です。一般的に問題解決は「ありたい姿と現在のギャップを把握し、打ち手を講じる」という進め方を取りますが、これはスキルに関しても同様です。自社の事業/組織に必要なスキルを定義し、現状を評価します。スキルギャップ(不足スキルや強化すべきスキル)を特定し、それを補うために必要な施策(能力開発プログラムの実施など)を講じ、PDCAを回していきます。

 もし、組織として従業員が保有するスキルや経験をデータベース化していない場合、このような取り組みは困難と言わざるを得ません。実は、多くの製造業にとって、このスキルや経験のデータベース化が課題になっています。読者の皆さまの会社ではいかがでしょうか。

 製造業は自社が持つ技術に誇りを持ち、競争優位性の源泉たるコア技術を把握しています。しかし、その技術を下支えするスキルや経験に関して、「誰がどんなスキルをどんなレベルで保有しているか」や「誰がどんな経験を積んでいるか」などの情報を組織として十分把握できていないケースが多い印象です。

スキルデータを利活用して課題解決を

 スキルマネジメントの理想形は「自社に必要なスキルを定義し、評価/育成/維持すること。そして、その過程で生まれたスキルデータを可視化/利活用し、事業や組織課題の解決につなげること」です。

 自社の力量管理/スキル管理が形骸化している場合、どのようにスキルや経験のデータベース化を進めれば良いのかと悩む方も多いでしょう。次回は、スキルの定義や整理の進め方に関して紹介していきます。

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筆者紹介

髙橋悠(Yu Takahashi)

三井金属鉱業株式会社を経て、コンサルティング会社を中心にキャリアを築きながら製造業の領域に携わり、株式会社Skillnoteに参画。製造業/建設業の企業様を中心として、スキルマネジメント制度設計のコンサルティングやスキルマネジメントシステム「Skillnote」の導入を支援。


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