田中貴金属工業は、半導体製造の検査工程で用いられるプローブカード、テストソケットのプローブピン用新合金「TK-FS」を発表した。優れた硬度と屈曲性、低電気抵抗率を同時に達成しており、幅広いタイプのプローブピンとして適用できる。
田中貴金属工業は2023年4月13日、半導体製造の検査工程で用いられるプローブカード、テストソケットのプローブピン用新合金「TK-FS(ティーケーエフエス)」を発表した。2022年7月からサンプルを出荷しているが、その後の研究開発により性能がさらに高まっている。
TK-FSは、ビッカース硬さ500HV以上で10回以上の繰り返し折り曲げ耐性を有し、電気抵抗率は7.0μΩ・cm以下となっている。ビッカース硬さは、独自の加工技術により400〜520HVで調整して提供する。また、同社の既存のプローブピン材料よりも、8〜13%と高い伸び率を有する。
優れた硬度と屈曲性、低電気抵抗率を同時に達成することから、ポゴピンタイプに加え、ウェハーテスト用(前工程)プローブカードのカンチレバータイプやバーチカルタイプなど、幅広いタイプのプローブピンとして適用できる。これにより、半導体検査装置の長寿命化、低コスト化に貢献する。
同社はTK-FSの出荷量について、2028年までに既存製品の2倍を目指す。また、将来的に既存プローブピン用製品の多くをTK-FSに変更していくとしている。
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