シーメンスが製造業向け生成AI搭載アシスタント強化、データ主導型へ移行促進製造ITニュース

シーメンスは、製造業向け生成AI搭載型アシスタント「Siemens Industrial Copilot」の予知保全システム「Senseye Predictive Maintenance」を拡張し、新機能「Entry Package」「Scale Package」を追加した。

» 2025年04月18日 13時00分 公開
[MONOist]

 シーメンスは2025年3月24日、製造業向け生成AI(人工知能)搭載型アシスタント「Siemens Industrial Copilot」の予知保全システム「Senseye Predictive Maintenance」を拡張し、新機能として「Entry Package」「Scale Package」を追加すると発表した。生成AIを活用してメンテナンス業務のデータ主導型への移行を助け、修理、予防、予測、最適化まで、メンテナンスサイクル全体を包括的に支援する。

キャプション 生成AI搭載のメンテナンス機能で「Siemens Industrial Copilot」を拡張[クリックで拡大] 出所:シーメンス

 Entry Packageは、AIを活用した修理ガイダンスと基本的な予測機能を組み合わせた予知保全を導入できる。センサーからのデータ収集とリアルタイムの状態監視のため、限定的な接続を提供。これにより、事後対応型のメンテナンスから状態基準保全への移行を支援する。

 また、インフラ要件を最小限に抑え、AIによるトラブルシューティング機能を提供。ダウンタイムの削減、メンテナンス効率の向上、本格的な予測メンテナンスのための基盤構築が期待できる。

 Scale Packageは、メンテナンス業務の全面的な刷新を検討する企業向けに設計したパッケージだ。Senseye Predictive MaintenanceとMaintenance Copilot機能を統合している。故障の事前予測、稼働時間の最大化、AI主導の知見を利用したコスト削減を見込めるという。

 これまで採用されてきた事後対応型のメンテナンス戦略では、ダウンタイムの発生を避けられず、不必要なコストを増やしていた。シーメンスによると、生成AIと予知保全システムを組み合わせ、リアルタイムデータを高度に分析していくことで、適切な時期に介入し、計画を確実に実行できるようになるという。試験的にSiemens Industrial Copilotを導入した事例では、事後対応型のメンテナンス時間を平均で25%削減できたと紹介している。

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