634 AIでは、この技術を用いて「MAESTRO フロアマネジャー」「MAESTRO インテリジェンス」「MAESTRO ガード」「MAESTRO 自律走行搬送ロボット」という4つのサービスを展開する。
MAESTRO フロアマネジャーは、搬送エリアの視覚化をし各種管理を行えるアプリケーションだ。衝突のアラート機能や、ブラインドスポットの警告、立ち入り禁止区域の設定など、安全に関する機能を備える他、在庫レベルや生産効率などの重要指標の表示などを併せて行うことができる。例えば、武蔵精密工場内の実証実験では、各持ち場への人の配置状況を認識して勤怠管理を行ったり、設置してあるパレットの数を数えたり、正しい場所に置かれているかを確認したりする使い方を行っていた。また、立ち入り禁止区域(ジオフェンシング)を設定し、それを超えるとアラートを出すという運用も行われていた。
MAESTRO インテリジェンスは、MAESTRO フロアマネジャーで活用するデータを処理し、分かりやすいレポートを作るBI(ビジネスインテリジェンス)ツールだ。コスト削減やサプライチェーン最適化、安全手順の設定など、目的に応じたレポートを簡単に作ることができる。
MAESTRO ガードは、それぞれのフォークリフトや作業員が持つタブレット端末にMAESTROで得られた情報を表示するアプリケーションで、荷物の影からの飛び出しなど、肉眼では見えない危険に対し、天井カメラで得られた情報からアラートを飛ばすことができる。死角やブラインドスポットをなくすことができ、衝突の危険を回避することができる。またフォークリフトがオーバースピードとなったときに警告を流すこともできる。
MAESTRO 自律走行搬送ロボットは、これらを組み合わせてAMRの運行を行うアプリケーションだ。システムで柔軟なタスク設定が可能である点が特徴となっている。複数メーカーのAGVやAMRを組み合わせて使うことが可能で、3層構造の安全性を備えている。正確な位置把握と制御が可能であるため、フォークリフトにより正確に荷物を持ち上げて運ぶことができる。
634 AIによるMAESTROの展開は、現在日本とイスラエルで先行ユーザーによる実証を行っているフェーズだという。「さまざまな業種や地域のユーザーからニーズや課題を吸い上げている。基礎的な技術は確立できているが、よりそれぞれのユーザーニーズにあったソリューションを提供したい。当面の目標は、できるだけ早く、本番稼働を開始することだ」とカファン氏は述べている。
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