Bluetooth SIGは、Bluetoothの新しいオーディオ規格「LE Audio」とBluetoothの新機能「Auracast ブロードキャスト オーディオ」が補聴器市場にもたらす影響などについて発表した。
Bluetooth SIGは2023年2月23日(現地時間)、Bluetoothを活用した次世代の聴覚補助技術と、今後の補聴器市場に関する展望を発表した。2022年7月に全仕様を公開したBluetoothの新しいオーディオ規格「LE Audio」とBluetoothの新機能「Auracast ブロードキャスト オーディオ」が、補聴器市場にもたらす影響などを解説している。
LE Audioは、Bluetooth LE無線での動作に対応する次世代の音声規格。Bluetoothのオーディオ品質の向上に加え、補聴器用の機能を備える。高品質かつ低消費電力のオーディオコーデック「LC3(Low Complexity Communications Codec、低複雑性コミュニケーションコーデック)」を採用し、高音質かつバッテリーの高寿命化、小型化が可能となる。
また、Auracast ブロードキャスト オーディオは、オーディオ共有やミュート解除、聴覚補助など、さまざまな音声体験を提供する。公共施設をはじめ、さまざまな施設で同機能を導入し、音声情報を提供することで、聴覚補助を必要とする人が自身のBluetooth対応補聴器を用いて音声情報を受信できるようになる。
世界の難聴者の人口は15億人と言われ、補聴器市場は1900万台規模となっている。しかし、施設などで聴覚補助技術を利用するには、専用機器の貸し出しを申し出る必要があるなど、心理的なハードルがある。
Bluetoothの新規格は、従来に比べて多様な補聴器への組み込みが可能になる。同社は、LE Audio対応機器が増えることで、補聴器と一般的なオーディオ機器との境界線が薄れ、補聴器の装着に対する心理的抵抗の軽減が期待できるとしている。
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