地方のモノづくりでDXが広まっています。
この記事は、2022年12月20日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
眼鏡の名産地、と聞けば誰もが福井県鯖江市を思い浮かべるでしょう。筆者が住む首都圏でも鯖江市の眼鏡製品を扱う専門店をたびたび目にする機会があり、「鯖江=眼鏡」という図式が頭に刷り込まれています。眼鏡のフレーム生産で日本国内のシェアのほとんどを占める同市ですが、漆器や繊維などの産業に携わる人も少なくなく、まさに「モノづくりの町」といった形容がふさわしい地域となっています。
その鯖江市で現在、商工会議所(鯖江商工会議所)が主導する形でDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが進んでいます。推進のきっかけはコロナ禍による販路減少への対策でしたが、いまでは単なる販路確保にとどまらず、消費者のニーズを先取りし、新たなトレンドを創出するようなデータドリブンのモノづくりを目指しているようです。そのためのデータ基盤も本格導入するなど、消費者と地場産業の事業者との間に新しい関係を構築しようとしています。取材時にお話を伺った鯖江商工会議所の担当者は「私たちのような規模で、モノづくりのサービス化を視野に入れたDXに取り組む商工会議所の例は、他にはあまり聞いたことがありません」と、自信ありげに語っていました。
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