ワイヤや電力の消費量を削減し生産性も向上、新開発制御搭載のワイヤ放電加工機工作機械

ソディックは、リニアモーター駆動ワイヤ放電加工機「AL i Groove+Edition」を発売する。放電回路と制御の改善により加工速度と精度を向上し、消費電力量を減らすなど、脱炭素化社会へ向けた取り組みを図る。

» 2022年11月24日 11時00分 公開
[MONOist]

 ソディックは2022年11月7日、リニアモーター駆動ワイヤ放電加工機の新シリーズ「AL i Groove+Edition」を同年12月に発売すると発表した。計8モデルを用意し、価格の例として、「ALN400Q」が1800万円から、「AL600G」が2250万円からとなる(各税別)。

キャプション リニアモーター駆動ワイヤ放電加工機「AL600G」 出所:ソディック

 同シリーズは、放電回路と制御の改善により、加工速度の20%アップと加工精度の向上を両立した。また、消費電力量を20%削減し、ワイヤ消費量を減らすなど、脱炭素化社会へ向けた取り組みも進めている。

 新開発の放電加工制御「Digital HF制御」は、放電電圧の挙動や変化を放電パルスごとに細かく検出することで、加工速度と品質が向上。独自のワイヤ回転機構は、ワイヤを緩やかに回転させて電極消耗による加工への影響を排除し、加工性能を高めた。また、ワイヤ使用量を最大30%削減する。

 噴流や加工液循環、加工液温最適調整など、加工液処理系に用いられる電力は全体の約7割を占めている。そのため、加工液の噴流、循環、送液ポンプをフルインバーター化し、それぞれの動作を最適にコントロールすることで消費電力量を従来比で20%削減した。

 他にも、セラミックスを多用して熱変位を抑制する高剛性機械構造や、熱変位補正機能「TH COM」の標準搭載、CNC装置に消費電力量や消耗品使用量を表示する「ECO Collection」機能などで消費電力量の削減を図る。自動化に向けたオプションも拡充している。

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