日本照明工業会は2022年10月19日、地球環境問題への対応や日本政府が提唱する「Society 5.0」を推進していくために照明業界全体で取り組むべき新たなコミュニケーション戦略として「LIGHTING ACTION for 2030」を発表した。明るさだけでなく、新たな付加価値を提供する照明を「Lighting 5.0」と位置付け、認知促進を図る。
日本照明工業会(JLMA)は2022年10月19日、地球環境問題への対応や日本政府が提唱する「Society 5.0」を推進していくために照明業界全体で取り組むべき新たなコミュニケーション戦略として「LIGHTING ACTION for 2030」を発表した。明るさだけでなく、新たな付加価値を提供する照明を「Lighting 5.0」と位置付け、認知促進を図る。
日本照明工業会では2019年に照明業界の戦略ビジョンとして「LIGHTING VISION 2030」を発表。2030年までに照明器具のストック市場において「LED化率100%」の実現や、Society 5.0に対応する「次世代照明の出荷構成比40%」「温室効果ガス排出量の46%程度の削減」などの目標を掲げている。
さらにこれらのビジョンを実現するために新たなコミュニケーション戦略として打ち出したのが今回の「LIGHTING ACTION for 2030」である。ポイントは「Society 5.0に対応する次世代照明」の概念として「Lighting 5.0」を定義したことだ。
照明のそれぞれのフェーズを明確化し、「1.0」を人類が手にした最初のあかり(たいまつやろうそくなどの炎)とし、「2.0」は白熱電球、「3.0」は放電灯、「4.0」をLED照明と位置付けている。そして、「5.0」は従来の明るさを得るためだけのものではなく、さまざまな付加価値をもたらす照明と定義した。日本照明工業会 会長の島岡国康氏(パナソニック)は「LED照明になり、制御技術などを組み合わせることで照明でさまざまな価値を生み出せるようになってきている。さまざまなモノやコトとつながっていく照明を実現できる」と述べている。
具体的には、生体機能をサポートしたりよい睡眠をサポートしたりする「健康」領域、災害検知や家族の見守りを行ったりする「安全」領域、生活シーンに合わせて変化したりスピーカー機能などを組み合わせたりする「快適」領域、スケジュールに連動して変化したり周辺環境に合わせて自動調光したりする「便利」領域での新たな付加価値創造を進めていく。
これらの新たな価値創造は、照明業界だけでは生み出せないために、さまざまな異業種との関係強化や共創に取り組む方針だ。そのため異業種の展示会などへの出展も計画する。また、情報発信の強化などにも取り組む。島岡氏は「照明は明るさを提供するだけだったが、新たな可能性があると考えている。どういう風に発展するか分からないが、積極的な交流を図っていく」と考えを述べていた。
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