パナソニック ホールディングス100%出資のYohanaは2022年9月13日、忙しい家族のくらしを専門チームがサポートする家庭向けコンシェルジュサービス「Yohana メンバーシップ」を同年9月15日から神奈川県で開始すると発表した。神奈川県を皮切りに今後順次提供エリアを拡大していく方針だ。
パナソニック ホールディングス100%出資のYohanaは2022年9月13日、忙しい家族のくらしを専門チームがサポートする家庭向けコンシェルジュサービス「Yohana メンバーシップ」を同年9月15日から神奈川県で開始すると発表した。神奈川県を皮切りに今後順次提供エリアを拡大していく方針だ。
Yohanaは、ロボットやAIなどの研究者で米国のGoogleやAppleなどの要職を歴任し、2019年10月にパナソニックグループに入社した松岡陽子(Yoky Matsusoka)氏(Yohana CEO、パナソニック ホールディングス 執行役員でくらしソリューション事業本部長)が設立した企業だ。「今を生きる家族がしあわせであるように、希望のある日々をつくりつづける。」をミッションとし米国で活動を開始している。
そのYohanaが提供するサービスが家庭向けのコンシェルジュサービス「Yohana メンバーシップ」である。松岡氏はサービス設立の動機について4人の子供を育てるワーキングマザーとしての苦悩を語る。「コロナ禍で学校がなく、4人の子供を抱えながら家で仕事をしなければならない環境で、それまでに築き上げてきた生活が崩れて途方に暮れた気持ちになった。こうした苦しみは自分だけだと思っていたが、聞いてみると多くの人が同じような感情を抱えていた。これを助けてあげられるテクノロジーができればというのがきっかけだ。こうした要素をサービスの中に組み込んだ」(松岡氏)。
Yohana メンバーシップは、専門チームにより、ユーザー(メンバー)の日常のさまざまな雑務を助け、支えていくサービスである。スマートフォンアプリの「Yohanaアプリ」を通じて、「メンバー」は窓口となる「Yohana スペシャリスト」とやりとりをしながら、日常のさまざまなタスクを解決する。スペシャリストは、パートナー企業などで構成される「Yohana パートナー」や、さまざまな専門知識でサポートする「Yohana ガイド」などの助けを得ながら、メンバーの課題解決を目指す。また、中長期視野からのアドバイスを行う「Yohana リサーチャー」などの役割も設置している。情報の整理などでAI(人工知能)などを活用しているものの、こうした人による「専門チーム」を構成し、これらが家庭を支えていくことで、日常生活を包括的で柔軟に支えるサービス提供を目指す。
具体的には、掃除や自宅のメンテナンス、子供の習い事や課外活動など、こなさなければならないさまざまな用事を入力し、チャットを通じて解決を依頼できるというものだ。
Yohana Japanの製品担当でパナソニック ホールディングス くらしソリューション事業本部 上席主管の藤田大法氏は「例えば、私は米国で妻と息子と暮らしているが、食事に関して誰が何を用意するのか、その手段はどうするのかなどが日々の課題として出てきている。こうした課題に対し、自分たちでできるのであればミールキットを手配するように提案したり、それが難しいのであれば料理代行を頼んだり、外食に切り替えたりするなど、課題の解決をやり切るまで対応できるところがポイントだ。タスクに対し、後手後手になりがちの暮らしを先手先手に切り替えていける」とメリットについて訴えている。
既に米国では2021年9月からシアトル周辺地域でサービスを開始。2022年6月までの間に1000世帯以上の家族において2万以上のタスクを処理したという。これにより「週8〜10時間のゆとり時間が増えた」(松岡氏)としている。これを受け2022年夏からはロサンゼルス周辺地域でもサービスを拡大。そして今回新たに日本でのサービス開始となった。既に日本でも約100世帯に対するフィールドテストを行い92%が満足だとするよい反応を得られているという。
新たに日本で導入するYohana メンバーシップは、基本的には米国のサービスをベースとしながら、日本向けに一部アレンジしているという。メインとなるYohana メンバーシップは月額1万8000円だが、日本では家庭内のサービスを外部に任せる文化がなく心配する声もあったために、サービスの品質を保証する「Yohana プライムネットワークプロ」を用意した。また、サービス開始に合わせて、2022年9月15日〜12月12日までの登録者には月額8000円で1年間サービスを受けられるキャンペーンを実施する。
Yohana メンバーシップの価格は、米国では月額249米ドルで提供しているが、日本との価格差について「為替や物価、ブランド価値の位置付けなどを踏まえて設定した」(藤田氏)という。ただ、それでも月額1万8000円という価格は高いと見られがちだが松岡氏は「最初に米国でサービスを開始した時も高いと見られた。しかし、ユーザーはお金を払ってでも自分たちの生活に時間が欲しいという人だった。ユーザーからは今は高いという声は聞かない。日本でも時間がどうしても欲しいという人を狙っている。そこから入って、広げていく」と語っている。
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