医用画像におけるAIの開発活用を目的とした技術研究組合を設立医療機器ニュース

東京大学は、CT検査やMRI検査などの医用画像分野におけるAIの開発、活用を目的として、ソフトバンク、ヤフー、クリプタクトなどと「医用画像通信技術研究組合」を設立した。

» 2022年06月13日 15時00分 公開
[MONOist]

 東京大学は2022年5月20日、ソフトバンク、ヤフー、クリプタクトなどと、「医用画像通信技術研究組合」を設立したと発表した。CT検査やMRI検査などの医用画像分野における、AI(人工知能)の開発、活用を目的とする。

 医用画像通信技術研究組合は、大学や企業などによる研究成果の迅速な事業化を目的として、経済産業省などが策定したCIP(技術研究組合)制度を活用した共同研究組織だ。

 同研究組合では、医用画像運用プラットフォームの構築を目指す。また、構築に必要となる医用画像の匿名化技術、ブロックチェーン技術、AI教師データの作成技術などの開発に取り組む。

 具体的には、専用アプリケーションを用いて、患者が匿名化された自分の医用画像データを医用画像運用プラットフォームにアップロードできる仕組みを構築。それらの画像データから同組合が作成したAI教師データの有用性を、研究開発機関や企業に提供して検証する。

 これにより、医用画像データの安全な流通とAIへの活用が進むことが期待される。また、患者は専用アプリケーションから自分の医用画像データを確認できるため、健康への関心が高まる。

 各種疾患の診断支援などにおいて、医用画像を用いたAIの活用が期待されている。しかし現状では、個人情報保護などの観点から、研究開発機関や企業などが高精度なAIを開発するために必要となる十分な医用画像データは流通していない。

 同研究組合におけるそれぞれの役割は、東京大学が医用画像の匿名化技術、AI教師データの作成技術、医用画像運用プラットフォームと患者用アプリケーションの開発、検証を担う。ソフトバンクは、同プラットフォームの実証試験を支援し、通信ネットワーク関連の知見を提供する。クリプタクトは、ブロックチェーン技術の開発、検証を担当し、ヤフーは研究成果の社会実装、事業化を支援する。

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