Materialiseは、3DプリントなどのAMによる製造プロセスを効率的に管理するクラウドベースのオープンソフトウェアプラットフォーム「CO-AM」を発表した。製品メーカーは、生産工程の計画や管理、最適化に向けた各種ツールにアクセス可能になる。
Materialise(マテリアライズ)は2022年5月12日、3DプリントをはじめとするAM(アディティブマニュファクチャリング)の製造プロセスをより効率的に管理するソフトウェアプラットフォーム「CO-AM(コ・エーエム)」を発表した。
クラウドベースのオープンソフトウェアプラットフォームで、製品メーカーがAMを最大限に活用できるよう、生産工程の計画や管理、最適化のためのさまざまなソフトウェアツールにアクセス可能にする。メーカーは常に最新のツールにアクセスして、必要に応じて業務を拡張できる。また、継続的にAMワークフローを監視、分析して、改善につなげられる。
同プラットフォームの中核にはデータレイクがあり、さまざまな生産ツールと連携して、何が生産現場で起こっているのかを追跡できる。オペレーターは分析した生産データによって独自のワークフローを定義し、ナレッジデータベースに保存することで、生産プロセスを継続的に改善できる。このようにしてAI(人工知能)を活用したプラットフォームが構築された結果、全ての造形パーツの品質向上が期待できる。
また、製造業のAM事業規模拡大に向けて、複数のハードウェア技術とMaterialiseや他のソフトウェア開発者が提供するツールに直接アクセスできるオープンなソフトウェアアーキテクチャを提供する。さらに、同プラットフォームにおいて、「Magics」とのシームレスな統合に加え、製造現場のデータを収集するための「AM Watch」、150種類以上の3Dプリントシステムと接続できる「Build Processors」など、25以上のソフトウェアを提供する。
CO-AMプラットフォームは、今後、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)にも開放予定で、既に「AM-Flow」や「Castor」など複数のサードパーティアプリケーションを搭載している。
Materialiseは、一部のパイロットプロジェクトにて、AMソフトウェアベンダーにCO-AMへのアプリケーションの接続を実施。開発パートナーは、ソフトウェア開発キット、アプリケーションプログラミングインタフェース、ステージング環境などにアクセスして、プラットフォーム内で開発したソリューションをネイティブに構築できるようになる。既に一部顧客と提携しているが、今後数カ月でCO-AMプラットフォームへのアクセス範囲を拡大する予定だ。
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