ブラザー工業は、コンパクトマシニングセンタ「SPEEDIO」の新モデル5種を発売した。新たなNC装置の搭載や28本マガジン仕様の追加などにより、加工の多様化や生産性向上を図っている。
ブラザー工業は2022年4月12日、コンパクトマシニングセンタ「SPEEDIO(スピーディオ)」の新モデルを発売した。「SPEEDIO S」シリーズから「S300Xd1」「S500Xd1」「S700Xd1」、パレットチェンジャー搭載の「SPEEDIO R」シリーズから「R450Xd1」「R650Xd1」をラインアップしている。
新モデルには、新たなNC装置「CNC-D00」を搭載。ツール交換時のマガジン制御性能が向上することで工具の交換時間を短縮しており、従来モデルとの比較で生産性を約1%以上高めた。
CNC-D00は、15インチの液晶タッチパネルによる直観的な操作が可能で、新設のホーム画面で使用頻度の高い情報を集約化し、消費電力や稼働率などの情報を可視化する機能を搭載する。電卓機能やPDFファイルを参照できるファイルビューアなどのツールも備えており、作業効率の向上に寄与する。
また、S500Xd1、S700Xd1、R450Xd1、R650Xd1には、搭載工具本数を28本に増やした仕様を追加。部品加工の複雑化、大型化に対応する。さらに、S、Rシリーズの全機種において、従来は3MPaだったクーラントスルースピンドルの最大吐出圧力を7MPaとしたことで、従来では難しかった深穴加工などが可能になった。
Sシリーズは搭載可能な最大工具質量を4kgに増やし、テーブル最大積載質量が400kgになった。コラムを従来より20%厚くして、ベースリブの構造を見直すなど振動耐性も向上しており、高品質な加工ができる。
Rシリーズに搭載するパレットチャンジャーは、機内を加工室と段取りエリアに分割することで、加工とワーク交換を同時に進行できる。新たなRシリーズはパレット交換の時間を0.2〜0.3秒短縮し、生産性の向上に貢献する。価格例は、S500Xd1が815万円、R450Xd1が958万円となっている(いずれも税込)。
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