カーボンニュートラルへの挑戦

花王、国内物流拠点の100%再エネ化でカーボンニュートラルに前進脱炭素

花王は2022年4月26日、同社のCO2排出量削減に向けた取り組みの進捗状況の報告として、2021年の実績を発表した。2021年は、同社が持つ国内全てのロジスティクス拠点などで再生可能エネルギーの100%使用などを達成したという。

» 2022年04月27日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 花王は2022年4月26日、同社のCO2排出量削減に向けた取り組みの進捗状況の報告として、2021年の実績を発表した。2021年は、同社が持つ国内全てのロジスティクス拠点などで再生可能エネルギーの100%使用などを達成したという。

 花王は2040年までにCO2排出量の実質ゼロ化、2050年までにCO2排出量を上回る吸収量を達成した状態であるカーボンネガティブの実現を目指している。GHGプロトコルが定めるスコープ1と2では、2030年までにCO2排出量を2017年比で55%削減するとしている。また、使用電力の再生可能エネルギー化比率は2030年までに100%を達成し、製品ライフサイクルのCO2排出量は2030年までに2017年比で22%削減するとしている。

 同社はSBTイニシアチブから「1.5℃目標」の認証を取得している他、事業における使用電力を再生可能エネルギーで100%賄うことを目指す「RE100」にも加盟している。

 2021年は、購入電力においてはコーポレートPPA(電力販売契約)を新たに採用し、本社(茅場町事業場、東京都中央区)で活用している。また、使用電力においてはパネル発電容量の合計が2845kWと、花王グループでは最大となる自家消費用太陽光発電設備を酒田工場(山形県酒田市)に導入した。また、国内55カ所の全ロジスティクス拠点に加えて、東京工場を含むすみだ事業場(東京都墨田区)、酒田工場において、使用電力の100%再生可能エネルギー化も実現した。

 スコープ1、2のCO2排出量は2017年比で約20%削減に成功した。使用電力における再生可能エネルギー比率は38%まで高まり、ライフサイクル全体では2017年比で4%の削減を達成した。

 花王は2022年の方針として、前年に設定額を引き上げた社内炭素価格制度を日本国内だけでなくグローバルで採用して、CO2排出量の少ない設備や自家消費用太陽光発電設備の導入を進めるとしている。

⇒その他の「脱炭素」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.