トヨタのEV「bZ4X」はKINTOやリースで、リユース前提にバッテリーを確実に回収電気自動車

トヨタ自動車は2022年4月12日、EV(電気自動車)の「bZ4X」を5月12日に日本で発売すると発表した。個人にはサブスクリプションサービス「KINTO」で、法人にはリースで提供する。5月12日からは第1期として3000台の申し込みを受け付ける。第2期の申し込みは2022年秋を予定している。2022年度としては5000台の生産と販売を計画する。

» 2022年04月13日 06時30分 公開
[齊藤由希MONOist]

 トヨタ自動車は2022年4月12日、EV(電気自動車)の「bZ4X」を5月12日に日本で発売すると発表した。個人にはサブスクリプションサービス「KINTO」で、法人にはリースで提供する。5月12日からは第1期として3000台の申し込みを受け付ける。第2期の申し込みは2022年秋を予定している。

「bZ4X」を5月12日に日本で発売する[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

 2022年度としては5000台の生産と販売を計画する。生産はトヨタ自動車の元町工場(愛知県豊田市)で行い、再生可能エネルギー由来100%の電力を使用している。

 リースやKINTOのみでの取り扱いにしたのは、バッテリーを全数管理し、リユースやリサイクルにつなげるためだ。また、数年後に乗り換える際の残価や下取り価格など、「ユーザーが感じるリスクをトヨタが負うべきだ」(トヨタ自動車 執行役員 副社長の前田昌彦氏)という方針でもある。

 消費税込み参考価格はFWDモデルが600万円、AWDモデルが650万円となる。これらの価格を基に、保険やリースの支払い、KINTOの月額利用料を決める。KINTOの月額利用料は5月2日に発表する。

 満充電のWLTCモードでの走行距離はFWDモデルで559kmとなる(4WDモデルは540km)。WLTCモードの交流電力量消費率はFWDモデルで128Wh/kmだ(4WDモデルは134Wh/km)。駆動用モーターのシステム最高出力はFWDモデルが150kW、最大トルクが266Nmとなる(4WDモデルは最高出力160kW、最大トルク337Nm)。DC充電最大出力は150kW。

購入後のアップデートにも対応

 KINTOでは、bZ4X専用の最長10年間のプランを用意する。期間中の電池性能については10年20万kmもしくは容量70%を保証する。5年目以降は、中途解約金なしで月額利用料を段階的に引き下げる。ナビゲーション、デジタルキー、車両の状態見守りなどのコネクテッドサービスが月額利用料に含まれ標準装備となる他、技術の進化や経年劣化に合わせてソフトウェアやハードウェアを更新するサービス「KINTO FACTORY」も提供する。無線ネットワークによるソフトウェアアップデート(OTA:Over-The-Air)にも対応した。

 売り切り型の新車販売では販売後、年を経るごとに販売店へのメンテナンスで入庫されにくくなる傾向がある。最長10年間のプランにより、ユーザーを100%捕捉して販売店でメンテナンスし続けられるようにする。また、売り切り型の新車販売では下取りや中古車が他社や海外に流出することも多く、駆動用バッテリーのリユースやリサイクルが難しい。リースやKINTOのみで取り扱うことで、トヨタ車のバッテリーを確実にトヨタで回収できるようにしていく。

使用済みのバッテリーのリユースを前提に、リース販売のみとした[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

→その他の「電動化」関連記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.