ヒョンデ CEOの張在勲(チャン・ジェフン)氏は、日本再参入について「撤退時に日本で使われていたヒョンデ車は1.5万台。12年たった現在は600台ほどになったが、毎年の車両点検を提供している。一度道を誤った後に、正しい道に戻って改めるという意味のことわざ『迷途知返』の通り、原点に立ち返って一人一人のユーザーに向き合うべきだと判断した。日本市場はわれわれにとって多くのことを学ぶべき場所であると同時に、挑戦すべき場所でもある」と述べている。
ヒョンデの2021年のグローバル販売台数は389万981台で、このうち韓国での販売が72万6838台、それ以外の地域での販売が316万4143台となっている。
2045年に部品調達、生産、使用時の全ての段階においてカーボンニュートラルを実現することを目指している。これに向けて、ヒョンデのプレミアムブランドである「Genesis(ジェネシス)」を2030年までに100%電動化する。2035年には欧州向けの車両を全てEVやFCVとするとともに、韓国で展開する商用車を全て電動車とする。
2040年は主要な市場で販売する車両を全て電動車とする。さらに、同年は「水素エネルギー大衆化の元年」となり、水素技術の活用も拡大すると見込んでいる。再生可能エネルギーによるグリーン水素の製造や、工場向けの電力で液化天然ガスを水素に置き換える取り組みも推進する。
2020年のネッソの販売台数は前年比36%増の6600台だった(なお、2021年のトヨタ自動車でのFCVのグローバル販売は前年比334.4%増の5918台)。欧州向けの燃料電池システムの輸出や、米国エネルギー省と協力したFCVの販売拡大などにも取り組んでいる。
日本撤退後の12年間で、政府がカーボンニュートラルを重視する方針をとり、ゼロエミッション車(ZEV)への補助金が充実したことも再参入を後押しした。現時点で日本における販売目標は設定しておらず、5月の受注開始に向けてブランドの認知拡大に注力するという。
アイオニック5は、ジョルジェット・ジウジアーロ氏が1974年にデザインした「ポニー」をオマージュするとともに、「パラメトリックピクセル」というデザイン要素を取り入れた。3mのホイールベースにより、ゆとりのある室内空間を実現している。運転の合間の休憩でゆったりと過ごすためのシートアレンジ「リラクセーションコンフォートシート」や、全座席シートメモリシステムなどを採用している。
プラットフォームはEV専用のE-GMP(Electric Global Modular Platform)を採用した。駆動用バッテリーから電気製品に電力を供給するV2L(Vehicle to Load)や、自宅に電力を供給するV2H(Vehicle toHome)に対応している。急速充電はCHAdeMOに対応し、出力90kWの充電器を使用した場合は32分間でバッテリー残量10%から80%まで充電できる。
アイオニック5は、レベル4の自動運転車のベース車両としても活用されている。自動運転技術を開発するAptivとヒョンデの合弁会社Motionalは、配車サービス大手のLyftと協力しており、2023年には米国の複数都市でアイオニック5ベースのロボタクシーの運行を予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.