現代自が新型可変バルブ機構を開発、開閉期間の制御で排ガス12%改善:エコカー技術
現代自動車(Hyundai Motor)グループは2019年7月3日(現地時間)、乗用車用エンジンの動弁機構技術として世界初(同社調べ)となる「Continuously Variable Valve Duration(CVVD:連続可変バルブデュレーション)」を量産化すると発表した。
現代自動車(Hyundai Motor)グループは2019年7月3日(現地時間)、乗用車用エンジンの動弁機構技術として世界初(同社調べ)となる「Continuously Variable Valve Duration(CVVD:連続可変バルブデュレーション)」を量産化すると発表した。同技術によって動力性能を4%、燃費を4%、排ガスを12%改善するという。
可変バルブ機構は多くの乗用車メーカーが開発、量産車へ適応している。従来の可変バルブ機構はバルブタイミングやバルブリフト量を制御し、エンジンの運転状況によって最適なバルブオーバーラップやミラーサイクル化を実現している。一方で、同社がこのほど発表したCVVDでは、カムシャフトの回転中心を移動させることで吸気バルブの開閉期間を連続的に変更する。
現代自動車グループが公開するCVVDの技術紹介ビデオ(クリックで動画再生)
現代自動車グループが公開したプロモーション動画と特許図面によると、カムシャフトは「ローラーガイド」の中央部に固定されている。このローラーガイドは円周方向に移動する「制御シャフト」によって支持されており、バルブ開閉期間の制御は制御シャフトを移動させることで行う。これによりローラーガイドと吸気バルブの位置関係が変化するため、カムシャフトとバルブリフターの接点が移動しバルブ開閉期間が制御できる。
CVVDにおけるバルブ周りの特許図面。図内の10がカムシャフト、30がローラーガイド、56が制御シャフト(クリックで拡大) 出典:現代自動車グループ
巡行時には吸気バルブを開ける期間を長くとり、バルブを遅閉じすることでミラーサイクル運転を行う。エンジン出力が必要な場合には吸気バルブを開ける期間を短くし、有効圧縮比を高める。CVVDではバルブリフト機構が省略されているため、同社は構造がシンプルでコストも低減できるとしている。
CVVDは、2019年下期に発売予定の「Hyundai Sonata Turbo」に搭載するエンジン「Smartstream G1.6 T-GDi」で初めて採用される。同エンジンは排気量1.6l(リットル)のV型4気筒ターボエンジンで、最大出力は180馬力、最大トルクは27.0kgmを発揮する。低圧EGR(排気再循環)や最高350barの噴射圧に達する直噴システム、低摩擦の稼働部品を採用していることも特徴としている。
Smartstream G1.6 T-GDiのイメージ(クリックで拡大) 出典:現代自動車グループ
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