マツダは2019年5月9日、東京都内で会見を開き、2025年3月期(2024年度)を最終年度とする6カ年の中期経営方針を発表した。同社は2018年4月にも“今後の取り組みの方向性”として2022年3月期以降の成長に向けた取り組みを発表しているが、商品戦略や、これまで投資が不十分だった分野などをより具体的にした他、販売台数の目標を引き下げた。次の新世代商品群を完遂するまでの6年間を一括りとし、長期的な視点で臨む。
マツダは2019年5月9日、東京都内で会見を開き、2025年3月期(2024年度)を最終年度とする6カ年の中期経営方針を発表した。同社は2018年4月にも“今後の取り組みの方向性”として2022年3月期以降の成長に向けた取り組みを発表しているが、商品戦略や、これまで投資が不十分だった分野などをより具体的にした他、販売台数の目標を引き下げた。次の新世代商品群を完遂するまでの6年間をひとくくりとし、長期的な視点で臨む。
2024年度の業績目標は売上高4.5兆円、営業利益率5%以上だ。売上高は2018年度比で約26%増、営業利益率は2018年度の2.3%から2.7ポイント以上の改善となる。また、売上高の7〜8%を設備投資と開発投資に充てる。
稼ぐ力を高めるため、電動化を含めたパワートレインのバリエーション拡大や、先進技術の採用によって、ユーザーの選択肢、すなわち商品の価格カバレッジを広げる。これにより台当たりの売り上げを向上する。稼いだ収益は、新世代商品群や販売ネットワークの強化、顧客体験の向上に投資する。その一方で、販売インセンティブや品質問題など「ブランド価値を低下させる支出」を減らす。
次の新世代商品群では商品の特性や特徴を最大限に発揮するため、車両のアーキテクチャを「スモール」「ラージ」の2つに分けることが発表済みだ。今回、ラージアーキテクチャでは縦置きの直列4気筒に加えて、直列6気筒の第2世代ディーゼルエンジンや、同じく直列6気筒の新型エンジン「SKYACTIV-X」を導入することを新たに発表した。
また、ラージアーキテクチャでは電源電圧が48Vのマイルドハイブリッドや、プラグインハイブリッドなど電動パワートレインのバリエーション拡大も進める。スモールアーキテクチャでは、SKYACTIV-Xやマイルドハイブリッドの採用に加えて、独自開発の電気自動車(EV)に投資する。ラージアーキテクチャと同様にスモールアーキテクチャも電動化を進める。
品質面での顧客満足度の向上も強化する。モデルベース開発やモデルベースリサーチを、開発、生産プロセスにおける品質検証活動に取り入れる。これにより、発売前の品質検証を確実に実行するとしている。発売後は「マツダコネクト2」などを活用する。車載通信機から送られてくる車両のデータを活用し、商品改良や、品質対応の早期化、拡大防止につなげる。
今回発表した中期経営方針では2024年度の販売目標を180万台に引き下げた。販売台数は2018年4月の方針では年5万台ペースの増加を維持しながら2021年度に180万台、2023年度に200万台とする方向性を示していた。グローバルでの生産能力は、トヨタ自動車と折半出資で立ち上げる米国アラバマ州の新工場を含めると200万台に届く計画だが、働く環境の改善や西日本豪雨(平成30年7月豪雨)の影響を踏まえて余裕を持たせるため販売目標を下方修正した。また、販売インセンティブの抑制を徹底するため、台数達成のプレッシャーを減らすことも理由となった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.