2023年に商用サービス開始を目指す、Uberによる空の移動「Uber Elevate」。サービスで使用するエアモビリティの開発、生産のパートナーとしてHyundai Motor(現代自動車、ヒュンダイ)が名乗りを上げた。Uber Elevateの責任者であるEric Allison氏は、「エアモビリティでは最初の車体パートナーだ。自動車の大量生産の実績を持つヒュンダイの協力によって、既存の航空産業では難しいスピードでサービスを実現することができる」と語る。
2023年に商用サービス開始を目指す、Uberによる空の移動「Uber Elevate」。サービスで使用するエアモビリティの開発、生産のパートナーとしてHyundai Motor(現代自動車、ヒュンダイ)が名乗りを上げた。Uber Elevateの責任者であるEric Allison氏は、「エアモビリティでは最初の車体パートナーだ。自動車の大量生産の実績を持つヒュンダイの協力によって、既存の航空産業では難しいスピードでサービスを実現することができる」と語る。
ヒュンダイは消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2020」(2020年1月7〜10日、米国ネバダ州ラスベガス)において、Uberと共同開発、生産するエアモビリティのコンセプトモデル「S-A1」に加えて、エアモビリティの離着陸拠点となるハブや、ハブから目的地への地上の移動車両となる「Purpose Built Vehicle(PBV)」も披露した。
ヒュンダイは人間中心の都市の在り方を追求する一環で、空の移動に関する取り組みを強化している。人間中心の都市の検討に当たっては、心理学や建築、都市計画、政治などさまざまな分野の有識者から成るグループ「Human-Centered City Advisory Group」を立ち上げ、将来の都市は「vitalize(活力を与える)」「enable(可能にする)」「care(配慮)」の3つの価値が重要だと結論を出した。
ヒュンダイの空の移動に関する取り組みはこれら3つの価値に関連し、コミュニティーの活性化や、人のつながりを深めることに貢献するとしている。また、都市化によって、渋滞など移動効率の低下、物流の社会的コストの増加が進む中で、空の移動が生活の質を向上する上でも重要だと位置付ける。エアモビリティのS-A1や離着陸拠点のハブ、ハブから先の地上の移動手段であるPBVも、人間中心の都市の一部として企画されたものだ。
S-A1は電動垂直離着陸型(eVTOL)で、パイロットを含めて5人乗りだ。Uber Elevateの商用化初期段階では有人飛行となるが、将来的に無人運転を目指しているという。機体はグローバルに展開し、フリートサービスとメンテナンスの提供、離着陸拠点の開発を含めたビジネスを加速させる。
S-A1は、冗長化のためのマルチプルローターやパラシュートを採用し、緊急時の安全な着陸を実現するという。また、ローターの回転が従来のヘリコプターよりも遅いため、従来のヘリコプターよりも機内外の静粛性が高いとする。Uber ElevateのAllison氏「静粛性が高いことで受け入れられやすいのではないか。ヒュンダイには量産車の生産ノウハウや、自動車に求められる信頼性とコスト効率を達成した実績がある。空飛ぶタクシーの運用コストも下げられる」と述べた。
PBVはさまざまな用途に合わせて、シャトルや飲食店、ホテル、診療所などに車内をカスタマイズ可能な自動運転対応の電気自動車だ。シャシーと車室を分離でき、モジュラーパーツの組み立てによって幅広くカスタマイズが可能だとしている。
日本でも、経済産業省が、航空機の電動化や自動運転化によって空の移動を身近かつ手軽にしようと企業をサポートする。特に自動車産業に対し、安全性や信頼性に関する蓄積を生かして“空飛ぶクルマ”への参入や投資を促していた。
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