「富岳」のクラウド的利用サービス実現目指す、理研と米企業が基本合意製造ITニュース

ハイブリッドHPCクラウドプラットフォームを展開するRescaleは2021年12月27日、理化学研究所との間でスーパーコンピュータ「富岳」のクラウド的利用に向けたプロジェクト実施について基本合意を行ったと発表した。

» 2022年01月11日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 ハイブリッドHPCクラウドプラットフォームを展開するRescaleは2021年12月27日、理化学研究所との間でスーパーコンピュータ「富岳」のクラウド的利用に向けたプロジェクト実施について基本合意を行ったと発表した。今後、富岳の計算資源を活用するクラウドサービス「富岳クラウドプラットフォーム」の本格運用に向けて、有効性の検証を進める。

 Rescaleは米国で2011年に設立された、シミュレーションソフトウェアとHPCソリューションに強みを持つクラウドプラットフォームサービスプロバイダーである。シミュレーションソフトウェアと大規模な商用環境で利用可能なHPCインフラを組み合わせ、Webベースのアプリケーションを活用することで、セキュアかつシームレスなプラットフォームソリューションを提供する。現在、航空宇宙産業や自動車、生命科学、船舶、コンシューマー向け製品、エネルギー分野などの企業が同社のサービスを利用しているという。

 理化学研究所とRescaleは富岳の利用拡大や利便性向上を図るため、2021年1月にクラウド的利用に向けたプロジェクト実施を決定して、技術的連携の実現性を検討し続けてきた。富岳クラウドプラットフォームでは、Rescaleが提供するインテリジェントコンピューティングを通じて、「富岳」の計算リソースをより簡単、かつ、使いやすい形で提供することを目指す。

 富岳クラウドプラットフォームの本格運用に向けた検証で得られた結果は、運用時の制度設計などの検討に生かされる予定だ。

富岳のクラウド利用本格化に向けた取り組みを進める[クリックして拡大] 出所:Rescale Japan、理化学研究所

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