半導体や樹脂不足、サプライチェーン混乱への対応に迫られる2022年MONOist 2022年展望(2/4 ページ)

» 2022年01月05日 14時30分 公開
[三島一孝MONOist]

樹脂や銅などの素材も調達困難に

 半導体と同様に不足が大きな影響を与えているのが、樹脂の不足だ。2021年2月に米国の寒波の影響により、半導体製造工場や化学プラントが停止し、半導体供給および樹脂供給に大きな混乱をもたらした。これにより、自動車用部品を含む一般樹脂製品が供給不足となっている他、コネクターなど樹脂を使う電子部品などにも大きな影響が出ている。特にコネクター不足の影響は大きく、さまざまな電子機器や制御機器、ワイヤーハーネスなどの自動車部品がコネクター不足により作れないという状況が生まれている。

photo 樹脂、ナイロン不足の影響[クリックで拡大] 出所:MONOist 編集部、 EE Times Japan 編集部、EDN Japan編集部

 また、素材では銅の価格高騰も深刻化している。日本電線工業会による国内銅建値推移によると、COVID-19前までおおよそ1トン当たり60万〜80万円の範囲で推移していた価格は、2021年に入ってから急騰し、1トン当たり100万円以上の高止まりの状況が続いている。COVID-19感染拡大初期の価格が1トン当たり58万4千円だったことを考えると、2倍以上の価格だ。銅は高い電気伝導率を持つ一方で加工を含めて扱いやすいため、電気を使うあらゆる製品に使用されている。ケーブルなどの直接的な製品の他、自動車の電動化においてもさまざまな領域で必要性が増しており、価格も含めた調達の難しさが課題となっている。

photo 国内銅価格の推移[クリックで拡大] 出所:JX金属資料から編集部で作成

 その他では、一部鉄鋼素材の不足や、海運の集中で発生したコンテナ不足などによる物流の遅滞など、サプライチェーンの混乱はさまざまな領域で生まれている。COVID-19による一時的な経済の停止と再始動による需要の急拡大による混乱については、2022年前半である程度の落ち着きは進むと見られている。ただ、半導体を含め生産キャパシティーそのものが急に増えるわけではないものが多い。平常化が進んだとしても、自動車やデータセンター向けなど、需要そのものが拡大している領域については、不足感が続く見込みで、これらは2023年まで影響が残る見通しだ。

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