エリアターゲットによる空間コンピューティングの具体的な活用イメージとしては、大きく「デジタル情報の表示」と「ナビゲーション」が挙げられる。
デジタル情報の表示では、その人のコンテキスト(状況)に応じて、例えば、オフィスの会議室の前で利用状況を確認したり、会議室を予約したり、オフィスの案内を表示したり、オフィス機器の利用方法を示したりといった利用が考えられる。また、ナビゲーションでは、空間全体や自分の周辺を理解し、自己位置を正しく把握できるという空間コンピューティングの特長を生かして、空間内の目的の場所まで人を誘導することも簡単に行える。
その際、「現場業務に従事する利用者は、ただ単に目的地に到着することがゴール(目的)ではなく、着いた先で作業することが目的であるはずだ。空間コンピューティングを利用すると、移動しているのか、目的地に着いたのかも理解できるため、到着に合わせてその場で必要な情報、例えば、マニュアルやIoTを活用した稼働情報などをタイムリーに表示するといったことも可能になる」(川崎氏)という。
メディア向けラウンドテーブルでは、PTCジャパンのオフィス受付エリアから展示デモコーナーまでの空間を対象に、エリアターゲットによる空間コンピューティングのデモンストレーションを披露した。
また、PTCジャパン イノベーション&デジタルトランスフォーメーション事業部 事業本部長の諸橋伸彦氏からは、エリアターゲットによる空間コンピューティングの活用事例として、札幌市の狸小路商店街で実施したAR観光ガイドの実証実験や、中部電力と行った設備操作に対する安全と信頼性の確保に向けた検証の取り組みについての紹介があった。
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